「エッセイと小説のあいだ」というテーマで、代官山ヒルサイドライブラリーでトークします。

エッセイは実際にあったことを書いたものだけど、小説は虚構が混じっている、と思っている方は意外に多いのではないでしょうか。でも、考えてみると、エッセイに虚構が入ることはよくあるし、その逆に、実際に体験したことを小説に書くことも少なくなく、虚構か、現実かで両者を線引きすることは困難。
それに、体験を書くにしても、実際に起きたことをトリミングして表現するわけで、軸足がどこにあるにせよ、虚構化の作業なくしては作品は完成をみないわけです。

私はつねに、本当みたいと思えるような噓、噓みたいに思える本当に惹かれてきました。現実と虚構のあわいや、揺らぎのなかに見え隠れする人間の意識の奥深さに、魅了されるのです。写真が好きなのも、現実にむかってシャッターを押しながら、写されたものは現実そのものではないからで、そういう感覚は文章の書き方、読み方にも現れでるようです。

昨年、同じ会場で須賀敦子さんについてトークしましたが、須賀さんも現実の虚構化について真剣に考えた方でした。そこで、今年、ライブラリーの蔵書におさめる10冊を私がセレクトしトークする、というご依頼をいただきたとき、「エッセイと小説のあいだ」というテーマをもうけて、10作家の10作品を選ぶことにしたのです。

エッセイには身辺雑記というイメージがつきまといますが、わたしが理想とするエッセーとは、身近な話題が飛躍を重ね、最後にとんでもない場所に着地するというものです。どんな作品が選ばれたかは当日のお楽しみとして、取り上げる作家名はヒルサイドライブラリーのWebサイトでご覧いただけます。

日時:2017.7.25(火)19:00〜20:30
会場:ヒルサイドライブラリー(ヒルサイドアネックスB棟3F)
会費:一般2000円、ヒルサイド会員・学生 1000円
予約:電話03-5489-1267 e-mail info@clubhillside.jp
http://hillsideterrace.com/events/1183/