2014年「ことばのポトラック vol.11」が終わりました!

photo-6_convert_20140415164450.jpg第11回は「声と、ことばと、文字と」というテーマでおこなわれました。一緒に司会を務めた堀江敏幸さんとは、とくに事前に打ち合わせはしなかったのですが、水路が切り開かれていくように話題自身が筋道を見つけて流れていったことに、正直なところ驚いてしまいました。トップバッターはいとうせいこうさん。実は事前の計画では吉増剛造さんだったのです。でもランチをとりながら雑談しているときに吉増さんが突如、いとうさん先にしてよ、とおっしゃられ入れ替えたのですが、どうやらそれが決め手になったようです。いとうさんのお話で、申し合わせしなしに即興で芸をすることを芸人の世界では「野面(のづら)」ということを知ったのですが、まさにそのスピリットが乗り移ったごとくに場が進んでいきました。
photo-10_convert_20140415164135.jpg 朗読の声が音響スタッフの手で即興的に変形されていく、いとうさんのパフォーマンス、吉本隆明の詩集『日時計篇』を小さな文字で写本した原稿に、目隠したまま、インクを浸した筆でエイ!と文字を書く吉増さんの息を呑むパフォーマンス。大震災の時期に出会った山口誓子の句「ひとびとの見尽くしたりし虹を見る」からヒントを得て、七十二候の「虹始見」の文字を、水をつけた筆で三度、四度目に墨で書いた華雪さんのパフォーマンス。いずれの行為も、声とことばと文字のつながりにさまざまな角度から光を当てていく濃密なもので、つぎに何か起きるのかわからない緊張感に、「ことばのポトラック」の神髄を見る思いがしたものです。
photo-24_convert_20140415164412.jpg
堀江さんと私は、持参した文章を読むという、前の3人に比べると比較的おとなしいものでしたが、大震災や原発事故の経験が基底になった内容であり、寄付金贈呈式のために福島県いわき市からお越しいただいた、「pray life」代表の藤城光さんが最後に語ってくださったお話につながったように思います。
photo-35_convert_20140415164525.jpg「ことばのポトラック」は3年前のあの出来事をきっかけにはじまり、それぞれの現場で状況に流されずに、緊張感を持って生きることを願ってつづけてきました。だれよりも私自身がそのような場を必要としたのです。そうした気持ちが、会場のみなさんと分かち合えているのをひしひしと感じられたのは大きな歓びでした。ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!
photo-41_convert_20140415164556.jpg
写真:(上から)いとうせいこうさん、吉増剛造さん、華雪さん、堀江敏幸さん、大竹昭子
スチール撮影:サカタトモヤさん、ビデオ撮影:大川景子さん
上記の写真はサカタさん撮影。大川さんの映像は次回の「ポトラック」で上映予定。(2014.4.15)