『ソキョートーキョー』(ポプラ社)が出ました。

ソキョートーキョー 『ソキョートーキョー』だなんて呪文のようなタイトル。でも「鼠京東京」と漢字で書くとイメージが湧くのではないでしょうか。「鼠京」は読んで字のごとくネズミの都。対するところの「東京」はニンゲンたちの都。ふたつの街がパラレルワールドになった長編小説です。
 ストーリーを思いついたきっかけはスナネズミを飼ったことです。彼らのしぐさはニンゲンにそっくりで、我が身を見ているようなおかしさですが、考えてみればこの世に生を受けて以来、人の行くところはどこにでもついてきて、わたしたちのよき観察者として生きてきたのがネズミ族なのではないか、とそんな発見がこの物語の核になってます。
 別にジャンルの越境を目論んだわけではないのに、書きたいように書いたら説明しがたいものができてしまいました。本を出すごとにジャンルがばらばらで、書けばその内容までもが分類不可能なものになってしまう。どうやら越境はわたしの宿命であるらしい……。
 

 装幀はバッファロー・ジムの永松大剛さん。挿画は祖敷大輔さん。クレヨンによるテクスチャー感たっぷりの挿画が大胆にデザインされたカバーが見ものです。中を開けば本文組にもひと工夫アリ。ぜひ書店でお手にとってご覧ください。