映画「先祖になる」。思ったことをイモヅル式に。

200.jpg映画 「先祖になる」(池谷薫監督)をポレポレ坐のモーニング上映で見ました。陸前高田の農林業を営む老人が、仮設住宅に入るのを拒み、半倒壊した家の片隅の小屋で暮らしながら、山で木を切りだし、同じ場所に自分の家を建てるまでを描いたドキュメンタリーです。家が流されたらまた建てればいい、人間、勤労が大事だ、種まいとけばあとは土地がやってくれる、もらい癖がついたらだめだ、などなど心にずしりと響く言葉がつぎつぎと登場。

陸前高田は、一昨年から昨年にかけて連続でトークした写真家の畠山直哉さんの故郷であり、彼といっしょに訪ねたときの思い出もあって見に行ったのですが、あの日に目にした風景や、彼の著作『気仙川』のなかで見たお祭りのシーンに「懐かしい」という感情が浮かびあがりました。これまで畠山さんのことは知っていても、陸前高田がどこにあるかも言えなかったんですが、少しずつあの土地に気持ちが近づいているのを感じます。

このドキュメンタリーの主人公、佐藤直志さんは、TBS のニュース番組で、「わたしはもう被災者ではない」という衝撃の発言をしたそうですが、そのときに取材したTBS のニュース記者金平茂紀さんに、つぎの6月9日の「ことばのポトラック」に来ていただきます。彼も震災直後に出会ったおばあさんを追いかけ、一本のドキュメント番組「私は生きている」を作りました。この番組と、1966年に寺山修司が制作にかかわった、「あなたは……」という驚くべき街頭インタビュー番組をあわせて上映します。

金平さんとこのイベントの相談をしているとき、彼が「是枝裕和さんに来てもらおう!」と言い出し、その場で電話。「おもしろそう、出ましょう」と是枝さんも快諾くださり、すごいことに! いまチラシをつくってます。詳しくはまたこのウェブで告知します。

また畠山直哉さんとは、過去3回おこなった彼との公開トークのあと、何回かプライベートに話の場をもち、そこで語られた内容を再構成して、いま対話本を制作中です。みんながアートや表現について、それと生活とのかわかりについて、心のなかで密かに感じていること、考えていること、首をかしげていることを、忌憚なく、大風呂敷を広げて語りあう、「3.11以前ならばありえない本」にするつもりです! こちらもご期待ください。(2013.4.17)