『日和下駄とスニーカー 東京今昔凸凹散歩』、書店に並んでます!

スニーカー_convert_20120720194417『日和下駄とスニーカー』(洋泉社)が発売になりました。
永井荷風の『日和下駄』を片手に、彼の挙げた項目にそって東京の地形を散策。『日和下駄』は荷風が余丁町(現曙橋駅近く)に住んでいたときに書かれたものなので、自然と四谷・曙橋界隈の話題が多くなりましたが、ほかの山の手エリアにも足をのばしてます。ガケベリ散歩と称して上野台地の縁も歩きました。

毎日新聞の連載時は一回の原稿量が少なく、ひとつの項目を何回にも分けざるをえませんでしたが、単行本化にあたっては加筆してひとつづきの文章として読めるように工夫し、写真も足しました。また苦労の作は地図!これまでまともに地図を描いたことがないというのに、使うに足るものを描こうというのですから大変でした。新聞掲載ではまちまちだった表記を統一するのに、単行本のために描き直しましたので、苦心の結果をぜひご笑覧ください。文字通り「ご笑覧」の稚拙さですが、その分あじわいがあるかと……。

ブックデザインは『彼らが写真を手にした切実さを』と同じ五十嵐哲夫さん。表紙には六本木ヒルズの展望台からわたしが撮った写真に、彼が手描きのイラストを配してくれています。ちょっとほかでは見られない斬新な印象。荷風と女性が対面しているシルエット像も彼の作で(女性はわたしか? 足が長くてうれしい)、ジャケットを外すとそこにもチャーミングなイラストが満載、目次にも一工夫あって、手作り感がたっぷりです。

ふだんわたしが行くのは神保町の書店です。さっそくチェックしてみたところ、三省堂では入口を入ってすぐの新刊棚に平積みされており、山がだいぶ低くなってました。もともと低かった、のではなく、売れた結果だと思いたい……。東京堂書店には見つからなくてガクッとしましたが、版元の営業が駆けつけところ、ただいま注文中だそうで、まもなく並ぶでしょう。

本というのはほんとに不思議なものです。いちばん高揚しているのは校了直前で、それが過ぎると筆者として出来ることはなにもなく、気持ちは下降していきます。発売されれば書店に並ぶ姿は見られますが、どう読まれているかはまったくわかりません。あとの楽しみは書評だけですが、福田和也さんがいちばんのりで『週刊新潮』の「世間の値打ち」で取りあげてくださいました。(2012.7.22)

*写真は、30年前にパリからやってきたポポロさんと並んで写る『日和下駄とスニーカー』。右にちらっと見えるのは、ルソーの画からはみでたライオンのしっぽ。