片岡義男さんがゲストの7月のカタリココ、本日予約開始です!

片岡義男のファンは男性に多い。彼が角川文庫ですごい勢いで書いていた時代からのファンだ。ひるがえって女性ファンはまれだ。すくなくとも私が周囲に尋ねた結果はそうだった。だれもが、あの、おしゃれな感じの作家でしょ、という距離感を示す。
かく言う私もその一人だった。バイク、サーフィン、クルマ、海辺、美しい彼女……。彼の小説がイメージさせるものに何ひとつ接点を見いだせなかったから、はじめから読まなかったのだ。

ところが、最近になってその見方はヘンケンではないかと思い始めた。実に奇妙な作家である。自分の書いた小説の解説を自分で書く。自分にインタビューして自分で答える。ジャンルの横断もはなはだしく、小説を書きながら、鋭い評論を表し、詩を書き、翻訳をする。写真への関心も高く、蔵書や文房具をブツ取りして本を作るかと思えば、カメラを片手に東京中をフィールドワークする。
融通無碍というか、無手勝流というか、従来の作家像から大きく逸脱している。要するに好きなように生きる人なのだ。「超ジャンル主義」の私にとって、まさに尊敬すべき先達ではないか! 

おくればせながらそのことに気づき、7月の古書ほうろうでのカタリココは、ゲストに片岡義男さんにご登場いただくことにした。巨大な山はただ登っていけばいいけれど、脱皮を繰り返す軟体動物のような人物にどうとっかかっていけばよいだろう。いまは「片岡義男」という分厚い本を前に、ナマ書評に取りかかるような気持ちである。
思うに、ジャンルや書く内容に枠をもうけないというのは非権威の姿勢だ。その強靭な意思力を駆動しているものは何なのか。そのあたりがもっとも関心のあるところだ。予約は古書ほうろうへ(2012.6.14)