「図書新聞」に載った『彼らが写真を手にした切実さを』のうれしい書評

書き手は美術評論家の高島直之さん。この書評がうれしかったのは、本書が写真論であると看破してくださったことです。ぱっと見るといろんな写真家の格闘ぶりを書いたインタビュー集に見えるでしょう。みんな苦労してるんだなあ、という素朴な感想を得たとしても否定はしません。でも本の核心は、なぜインタビューという形式とったかというところにあります。どのように撮りつづけてきたかを聞くことが、そのまま「写真論」に直結するところに、写真というメディアの特徴があると、ずっと考えてきました。小説家にどのように書きつづけたかを聞きだしても「小説論」にはなりませんが、写真ではそうした方法が有効だと思えるのは、写真が機械で写すものだからです。とりわけ日本では写真装置のこの特殊さが写真家の生き方と緊密な関係をもっているように思え、それを<日本写真>の特徴として提示したのです。高島さんもご指摘のとおり論理に少々粗っぽいところはありますが、まずはそうした問いを投げかけることで、写真の問題を解きほぐそうと試みたのです。なかなか書評しにくい本だと思いますが(私の本はどうしてもそうなりがちです……)核の部分をガシッとつかまえてくださり、幸甚でした。(2011.10.30)