草森紳一記念館「目玉の人」最終回が掲載されました!

長らく間が空いてしまいましたが、目玉の人に「『カメラ毎日』の時代」のつづきを書きました。これにて一応連載を終了いたします。ご愛読いただき、ありがとうございました。 

原稿をチェックしながら、久しぶりに草森さんに気持ちが引きもどされました。最近彼の本を2冊つづけて読んだことが関係しているのかもしれません。
1冊は『九蓮宝燈は、極楽往生の切符』。阿佐谷に開店したばかりの古書コンコ堂で見つけたもので、草森さんの著作は一応頭に入っているつもりでしたが、この本の存在は知りませんでした。
タイトルだけではなんのことやら、まったくわかりません。麻雀をする人ならピピッと閃くのでしょうが、あいにくジャン卓に縁のない私には意味不明で、ページを繰っているうちに麻雀について書かれたものだと察しがつきましたが、ルールがわからないから読んでもだめだろうといったんは本を置きかかりました。
でもきれいな装丁に後ろ髪を引かれ、なでたりページを拾い読みしているうちに、草森さんのものなら麻雀以外の話がおもしろいにちがいないはずだと買い求めて読んだら、予想どおりおもしろい! 

こういう書き手っていないなあ、ユニークな人だったなあと思っていたところに、今度は新刊がでました。『記憶のちぎれ雲』(本の雑誌社)。

編集者時代に出会った作家やイラストレーターの人となりと仕事を、自分自身の体験と織り交ぜながら語った、まさに草森紳一にしかできない語り口の「半自伝」です。知らないまに話がちがう方向に飛んでいったと思ったら、気づかないうちにまたもどっている、川の流れのようなゆったりした筆はこび。しかも曲線の合間には直線の鋭さが潜んでおり、全身がくまなくマッサージされるような小気味よさです。
『クイック・ジャパン』に連載されたこれらの原稿に書き下ろしを加えて単行本にまとめる予定だったそうで、巻末には草森さん自身が手書きした「構成案」が載ってました。
このなかに「西井一夫 書き下ろし50枚 附山岸章二」という項目を見つけ、『カメラ毎日』時代を作り上げた二人の編集者についてどんなことが書かれるはずだったのだろうとしばし思いを巡らせました。

ところで、8月8日から20日まで森岡書店で草森紳一写真展「本は崩れず」が開催されます。
草森さんが撮影した蔵書の写真を中心に、その他テーマ別に彼が整理していた写真を箱ごと展示、もちろん箱の中身も閲覧可能というユニークな写真展です。
初日の8日には矢崎泰久氏(元『話の特集』編集長)と南陀楼綾繁氏(文筆家・編集者)の対談も。あいにく、私はこの期間東京を離れていて伺えませんが、きっとおもしろいものになるでしょう!        (2011.7.19)