写真展「NY1980」がオープン!

??写真展「NY1980」がオープン! 会場を眺め渡すやいなや思わず笑みがこぼれました。黒縁のフレーム入りの8×10の写真が森岡書店の白い漆喰の壁にピタリと決まっています。以前、『須賀敦子のミラノ』ほか3冊をだしたときにイタリア取材の写真を展示したことがありましたが、個人的に撮り溜めてきた作品を公開したのは今回がはじめて。本をだすのとはまたちがった感動、感慨があるものですね。
昨夜のギャラリートークにはたくさんの方々が来てくださいました。まがりなりにも社会的な認知を得ている現時点から過去を振り返るのはむずかしいものです。現在の余裕が記憶を美化させてしまいますから。そうならないよう当時の心境をできるだけ忠実に再現したいと思い、あらかじめ自分に、なぜニューヨークに行ったのか、そこでなにをしていたのか、写真を撮りはじめたはどうしてか、という3つの質問を課しました。答えは出さずに、話しながら考えていったのですが、当時のことを語るうちにまざまざと甦ってきたのは、あの街であてのない日々を過ごしていたときの不安と寄る辺のなさ、まだ何者にもなっていない自分の過剰な自意識でした。そうしたもやもやから解放される手段として街を歩くこと、写真を撮ることをつかんだような気がします。
そのときから現在まで折りにふれて考えてきた「写真って何だろう」ということも最後にお話したのですが、観客の方々がものすごい集中度で聴いてくださっているのが感じられ、思わずことばに熱がこもりました。写真は外界とのエネルギーのやりとりによって生まれますが、それと同じことが起きたような記憶に残る夜となったのです。改めてご参加くださった方々に感謝いたします。
写真展は11月13日(土)まで。3日、6日、12日、13日の午後4時から在廊の予定です。なお6日はトークショーのために展示をご覧いただけるのは6時までとなります。→森岡書店(2010.11.2)