原美のエグルストン展、ホンマさんのカタリココ。

原美術館でウィリアム・エグルストンの写真展がはじまった。これだけの規模のものは日本ではじめて。パリのカルチェ展で展示したパリと京都を撮った最近作と、彼の著名な写真集『ウィリアム・エグルストン・ガイド』からの7点とで構成されている。古い作品を期待すると物足りないかもしれない。だが、街のディテールの1部をクローズアップでした最近作も色が独特。手法としてはスナップショットの範疇に入り、伊藤園のお茶のボトルのアップとか、老人施設の告知板アップとか、日本人にとっては意味が先に目に入ってきてしまう対象が色と形象と、それがかもしだす気配のみをたよりに切り取られている。ふと立ち止まって考えさせる何かがある。それが何なのかはすぐには言えないのだが、意味と非意味の境界面を揺さぶってくるような感じがある。
 ホンマタカシは『たのしい写真』のなかでエグルストンについておもしろい指摘をしている。エグルストンはニューカラーの先駆者と言われる。そしてニューカラーの特徴には大型カメラの使用がある。だがエグルストンは小型のライカしか使わない。彼の前の世代はその小型カメラを使って「決定的瞬間」を狙ったが、彼はおなじカメラでそれとは対局のアンチ・クライマックス(非ドラマ性)の写真を撮る。その離れ業によって「モダン」と「ポストモダン」を行き来する振幅の大きな作品がつくられるところがエグルストンの写真の魅力だと彼は言う。こういう思索は実際にカメラに触っている人からしか生れでないものであり、とても新鮮。今週17日にはそのホンマさんとカタリココでトークをする。エグルストンの話題も出るだろう。とても楽しみ。