赤々舎代表、姫野希美さんのホンネに喝采!

昨夜のジュンク堂本店のトークは姫野さんのお話が最高でした。赤々舎の出す本はバラバラだ、もっと流れをつくらなくては、とよく助言(男性陣)されるが、流れというのはいずれ消えるものだし、写真家にとっては重要なのは流れではなく自身の活動だ。自分は生々しいエネルギーをもった写真家と作業するのがおもしろくて写真集を作っているのであり、金儲けになるわけでもなんでもないのだから、せめて好きなようにやれる喜びは保持したいと。まったく同感です。私も書くものがバラバラですが、金儲けとか名を売ろうとかではなく、書くことがおもしろいのだからこの喜びは手放したくないわけです。
流れをつくるというのは「業界的」な発想です。世間の眼を引くことはできますが、流れに組み込みにくいものは沈澱するし、忘れ去られます。赤々舎は木村伊兵衛賞作家を4人出していますが、これは受賞を目論んで攻略した結果ではなく、ほかの出版社が写真集を出さなくなっているゆえに出したものが賞をとる、ということなんですね。それほど写真集が出にくくなっている昨今。
「流れ」は主として雑誌が生みだすものですから、雑誌に勢いのないいまのような時代は流れが生れにくいですし、そもそもそうしたメディアの操作が飽きられてきたゆえに、雑誌がたちゆかなくなっているのかもしれないのです。いいと思った写真家の作品集を情熱を傾けて出すという赤々舎の姿勢は、ドラマチックな脚色はなにもありませんが、日本の写真史にたしかな足跡を刻んでいるし、なによりもそこに集う写真家の活力がスバラシイんです!(2010.6.4)