知らない町へ、祖敷大輔さんのイラスト展を見に。

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週末の楽しみは町を歩くこと。それも何かのきっかけで知らない町に行くときはわくわくする。今日は『ソキョートーキョー』の挿画を描いてくださった祖敷大輔さんの展覧会を見に上井草へ。西武線新宿駅から行くのでは当たり前すぎるので、東中野駅から中井駅に歩き、そこから西武線で上井草駅へという複雑なコースを考える。東中野北口を出て神田川を見下ろす台地のへりにそって北進、中井駅に着くころにはかなり旅人気分に浸っていた。車内はがらがらで、シートの向かい側に座っている父と息子の親子づれになぜか小説的想像を刺激される。そういえば、『随時見学可』の表題作の主人公は、西武線の郊外に住んでいるというイメージで書いたのだった。
 上井草駅を出て線路にそって歩き出す。商店街はすぐに途切れ、この道でいいのだろうかと思うころ、目を惹く建物が見えてきた。近寄っていくと予想どおり展覧会がおこなわれているgenro&cafeだった。住宅街のなかの木々に囲まれたカフェ。グラフィックデザイナーの店主がつくられた文具や雑貨が置かれ、真空管のオーディオセットからは厚みのある音が流れている。都心にはぜったいにない鷹揚な雰囲気が、週末のひとときを過ごすのにぴったりだ。ちょど祖敷さんがいらしていて、おいしい紅茶をいただきながら1時間ほどおしゃべりをする。フランシス・ベーコンが好きだと聞いて最初は意外に思ったが、話すうちに彼の言わんとするところがわかってくる。熊谷守一はすごい!で意見一致。日が傾きはじめたので、暗くならないうちにまた歩こうと、夕暮れの光のなかを西荻窪駅にむかった。西東京を四角く回遊した午後だった。(2010.4.25 )