大竹昭子のカタリココ

朗読イベント〈カタリココ〉&トークイベントのお知らせと「日々雑記」

おしらせ&雑記

新しい沖縄の眼、石川竜一の写真展。8日に彼とトークします!

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石川竜一さんにはじめてお会いしたのは2012年10月です。沖縄の知合いから、ぜひ会って欲しい写真家がいると連絡があり、ちょうど「ニューヨーク1980」の写真展の最中だったので、上京した彼にその会場に来ていただきました。
写真を拝見して、沖縄からいよいよ出たな、と思いました。それまでの沖縄の写真というと、沖縄の固有性を撮ったものが多かったのですが、彼の写真は沖縄を特別な場所としてアピールするのではなく、自分の生まれ育った場所で気になったものにカメラを向けるという撮り方です。でもそこにはこれまで見たことのないような濃厚なものが写っていて、戦慄しました!
その場でただちに二人の人に連絡しました。赤々舎の姫野さんと、アツコバルーのアツコさんです。いいと思うものにまっすぐに反応する彼らに、石川さんの写真を見て欲しかったのです。
それから2年たち、ふたりの実行力が写真集と写真展というかたちに結実しました。赤々舎からは『okinawan portraits 2010-2012』と『絶景のポリフォニー』を同時刊行。アツコバルーでは11月7日から24日まで写真展「zkop」が開催されます。
きれいごとではない、腹の底から人間を讃歌する彼の力強いショットを身に浴びてください。8日(土)には、言い出しっぺである私と石川さんのトークもあります。(2014.10.30)

■11月8日(土)
□17:00~19:00 予約不要・参加無料 *入場料500円(ワンドリンク付き)のみお払いください。
「石川竜一×大竹昭子トークイベント」

11月のカタリココの予約がはじまりました!

11月27日(木)開催の今年最後のカタリココは、昨年、「爪と目」で第149回芥川賞を受賞された小説家の藤野可織さんをゲストにお迎えいたします。藤野さんの小説を私が読んだのは、『群像』の合評会がきっかけでした。はじめてお名前を知り、作品を読み、なんかこの作家、気になるな、と思いました。一見荒唐無稽なセッティングを、感覚的というのでもなく、論理的というのでもなく、言葉の運動神経というようなもので引っ張っていきます。

『爪と目』はその典型とも言える作品ですが、人称の使い方が独特です。藤野さんは、作品を書いたあと、人称を入れ替えてみることをよくする、とインタビューで語ってますが、人称を変えるというのは、視点を変えることですから、目でものを考えているところがあるのでしょう。修士論文は写真家の木村伊兵衛について書かれ、ご自身でも写真を撮ります。視点の移動は写真への関心とも結びつきます。

これまでカタリココでは、東京在住の作家をお呼びしてきましたが、藤野さんは京都在住で、このために上京してくださいます。ぜひこの機会をお見逃しなく!

開催日時:11月27日(木)開場 18時半 開演時間 19時
会場:ブックギャラリーポポタム 03-5952-0114 popotame@kiwi.ne.jp
料金:1500円

休憩なしでたっぷり2時間!

森岡1_convert_201410051946552014年10月4日(土)のカタリココは森岡書店の店主であり文筆家の森岡督行さんがゲストでした。
茅場町に残る昭和初期の建物に足を踏み入れたとたんに、ここで古本屋をしたい!と閃いたことが森岡書店のはじまりだったこと、海外に日本を宣伝するために作られた本・雑誌への興味が『『Books on Japan 1931-1972』の著作に発展したことなど、森岡さんの仕事には昭和初期から戦中・戦後の時代への関心が色濃いですが、その元にあるのは、育った山形県寒河江でおばあさんから聞かされた話なのです。

おばあさんは中学のとき、学徒動員で東京の航空計器会社や逓信局に労働奉仕におもむきます。森岡さんは子供のころ、おばあさんからその当時の話を繰り返し聞かされ飽かなかったそうで、話にでてくる東京の地名を地図にさがし、昭和初期の東京の風景を想像し、戦争とは何かと興味をふくらませていきます。すべてがおばあさんの語りからはじまったわけです。

会場には、戦争が終わって東京を引き揚げるとき、同じ寮の仲間が寄せてくれたおばあさんの手作りの寄せ書き帖、シベリアに抑留されていたおじいさんが、現地から家族に宛てて書かれた手紙なども持参くださいました。ふつなら戦争関係の記念館でしか見ることのできないような資料を手にとりながら、その話を聞かされた少年がどのようにそこから自分の世界を切り開いていったのかをたどる。これまでとはひと味ちがうカタリココになりました。

カタリココの枠組みは朗読をまじえたトークイベントということだけで、内容はその回ごとに異なります。昨秋は森岡さんのアイデアで、南陀楼綾繁さんと江口宏志さんをゲストに、古書店ブームをめぐるトークをしましたが、今回は森岡ご自身さんに登壇いただいて現在までの軌跡を語ってもらい、カタリココの幅がまたひとつひろがったような気がします。
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森岡さんが語ってくださったことは、彼の近著『荒野の古本屋』(晶文社)に詳しいので、ぜひ!
神田神保町の一誠堂に勤めていたときに溜め込んだ古書の知識が、森岡さんの基礎体力になっていて、現在を支えていることがよくわかります。(2014.10.6)(写真上下とも:サカタトモキ)

10月の「迷走写真館」はこの写真です。

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よく見ればどこかお分かりでしょう。
だれもが知っている、東京のあの場所です。
一瞬、いつの時代だろうと思わせるところもありますが、細部を見れば現代だということが了解できます。
流れるようなリズムが画面ぜんたいにあふれて出ていて、スナップショットの真骨頂を実感させます。→ギャラリーときの忘れもの(2014.10.2)