大竹昭子のカタリココ

朗読イベント〈カタリココ〉&トークイベントのお知らせと「日々雑記」

おしらせ&雑記

「蜜のあわれ」を平田俊子さんと”連弾”朗読します!

来たる30日のカタリココ読書会@ポポタムでは、平田俊子さんが室生犀星の「蜜のあわれ」を提案してくださったことは前にお知らせしましたが、この作品をふたりで朗読することにしました。老作家と金魚のお嬢さんによる全編会話体からなるとても奇妙な小説です(室生犀星って結構ヘンタイですよね!)。昨夜、平田さんが選んでくださった朗読箇所が届きました。話の筋を知らせるのに冒頭は欠かせないのでまずはそこを。もうひとつは51ページから52ページ(講談社文芸文庫の『蜜のあわれ』より)の、「のめのめと体から脂が出てくる」なんて金魚のお嬢さんが言うヘンタイぶりがきわまっている箇所です。平田さんが老作家で、わたしは金魚のお嬢さん役。「あたいねえ」なんて言うんです。練習しなくちゃ!(2012.9.25)

「ことばのポトラック」の寄付先についてご報告いたします。

単行本『ことばのポトラック』の印税とこれまでプールしていた入場料のあわせて70万円を寄付いたしました。以下詳しいご報告を申し上げます。
これまでもお話してきましたが、「ことばのポトラック」はごくささやかな活動ですので、大きな団体に金額だけをぽんと振り込むのはためらいがあり、できればなにかの縁があり、将来ともそれが育っていくような場所に受け取っていただけたらと願ってきました。そこで考えたあげくに、1月の「ふるさとと写真」にご出演くださった畠山直哉さんの出身校、陸前高田の気仙小学校と気仙中学校にご連絡してみました。どちらの学校も津波の被害にあい、大変なご苦労の最中です。校長先生に「ポトラック」の活動についてご説明し思いをお伝えしたところ、ご理解くださり、それぞれの学校に30万円ずつお受け取りいただきました。とても喜んでくださったことをお伝えいたします。

畠山さんとおこなった「ふるさとと写真」は、これまで体験したことのない、6時間におよぶ長時間のイベントでした。会場は熱気につつまれ、フロアからの感想や意見もたくさん寄せられて、とても「ポトラック」らしい濃密な時間が生まれました。このイベントに意欲的にかかわってくださった畠山さんへの感謝を込めて、彼が学ばれた学校に寄付できたことを、光栄に思っています。それぞれの学校には、単行本『ことばのポトラック』と大川景子さん制作の映像DVD「ことばのポトラック・ダイジェスト」をお送りいたしました。生徒さんのなかにはきっと興味をもってくださる方がいるでしょう。
また、出演者のなかに福島出身の古川日出男さんがいらっしゃいますので、福島の子供関係の団体にも寄付したいと思い、探したところ、「未来の福島こども基金」という団体が見つかり、そちらに10万円をお送りいたしました。この団体は現在沖縄の久米島に福島の子供たちの休養施設を造っています。
切りのいい金額にしたので、プール金が3万円ほど余っていますが、これは今後の「ポトラック」の活動のために預金しておくことにしました。改めて、「ポトラック」のために貴重な時間とエネルギーを割いてくださった出演者の方々、またその場に足を運んで参加してくださった観客のみなさま、ありがとうございました!

「ポトラック」はこれからもつづきます。
まず10月には「名古屋ブックマーク」の依頼で堀江敏幸さんと私が「ことばのポトラックin 名古屋」をおこないます。また来年3月には仲俣暁生さんの企画で「ことばのポトラックVOJ.9」がサラヴァ東京で開かれる予定です。また縁があればどこかに自主出前もしてみたいと思っています。
ともすれば煩雑な日常に流されがちなこのころ、「ポトラック」をつづけることで、大震災の体験がどこかに漂流してしまわないよう、心の港につなぎとめられているのをありがたく思ってます。いつでも振り返ることのできる場所として、「ことばのポトラック@サラヴァ東京」を、これからも育んでまいりましょう。(2012.9.20)


「Gaze+Wonder NY1980」のパンフレットが出来上がりました!

表_convert_20120916170303中_convert_20120916170343今年後半のメインイベントは、ギャラリーときの忘れものから刊行されるポートフォリオ「Gaze+Wonder NY1980」です。日本は写真集が中心で、ポートフォリオはあまりなじみがありませんが、作品がセットになったものをこう呼び、今回のものには、80年代初頭にニューヨークで撮影されたモノクロ12点と、赤々舎から刊行される写真集『NY1980』が収録されます。
左の画像は、上がパンフレットの表紙、下はそれを開いたときのもので12点の写真と堀江敏幸さんのエッセイ「言葉はそこからはじまった」が載っています(一昨年の森岡書店での写真展が今回につながったのですが、そもそもその写真展開催のきっかけは堀江さんなのです!)。後ろにはわたしのエッセイ「はじめの一歩を踏みだす」と写真中心の略歴が出てます。デザインはおなじみ五十嵐哲夫さん。
10月19日からは刊行記念写真展が同ギャラリーで開かれますが、そこでこのポートフォリオを展示し、興味のある方に買っていただくというような順番かと思っていたら、画廊主の綿貫さんによればそうではなく、予約をとるのが先決で、写真展のときには完売しているのが理想だというんですね。ヒャー! 大丈夫でしょうか! 冷や汗がでます。
はじめは、ポートフォリオを出すなど大それている気がして腰が引けていました。でも、そういう形で作品が残ることが大切だと綿貫さんに言われ、なるほどと思ったのです。あのころのニューヨークはあまり日本の写真家には撮られていないように思います。あってもタイムズ・スクエアやコニーアイランドなど人の集まる観光地が多いですが、私が撮っていたのは、自分が住んでいたイーストビレッジや、そこからさらに東のアルファベット・ゾーンや、イーストリバーの向こう側や、ハドソン川の河岸など、ひと気のない、うち捨て去られた倉庫や廃墟が累々としているエリアでした。中心街にはまったく関心がなく、周縁ばかりを歩きまわっていたのです。
今回、当時のコンタクトを見直しながらプリント原稿を作ったり、写真集のためにエッセイを書いたりしながら、「撮るわたし」と「書くわたし」があの街で生まれ育まれたことを深く実感しました。堀江敏幸さんもそのことを書いてくださってますが、30年たってようやく当時は無軌道に思えた自分の行動の意味がつかめたように思えるのです。
パンフレットをご希望のかたは、ギャラリーときの忘れものまでお問い合わせください。(2012.9.16)

ERICの写真の秘密に迫るトークショー!

ドãƒã‚¨ãƒ¢ãƒ³_convert_20120905193243緑ãå¥³_convert_20120905193333香港に生まれ、東京で写真を学んだERICが表現するのは、日本社会ではなかなか表出しにくい人間の姿です。よく観察すれば日本の人もきっとこういう瞬間を見せているはずですが、それを意識できる機会は乏しく、ERICの写真を見ていると自分のなかからアジアの同胞への親しみと距離感とが染み出し、人間という生き物についてさまざまな問いが生じてくるのです。
強さとやさしさが同居していること、暴き出すだけでなく抱擁しているような感じを与えるところが、ERICの写真の特徴です。どうしてこのような写真が撮れるのか、自分は人間を撮る写真家だという自覚を彼はいかにしてつかんだのか、10月6日のトークショーでは、写真のど真ん中に直球を投げ込んでくるERICの写真作法についてじっくりと話を聞きます。現在、清里フォトアートミュージアムで開催中の彼の写真展に併せて東京でおこなわれるイベントで、入場無料! 撮影風景を写したドキュメント映像も上映予定。おさいふにやさしいこのトークショーをお見逃しなく。

ERIC × 大竹昭子トークショー
日時:10月6日(土)午後2:00〜4:00
会場:千代田区一番町25番地JCIIビル6階会議室
無料・予約不要・定員100名

久しぶりに短編小説を書きました!

代å˜å±±è”¦å±‹_convert_20120901171358『In the city』6号に載ってます。
今年の春だったか、六本木ABCで仲俣暁生さんとトークしたときに「In the city」の編集長・堀口麻由美さんが来てくださり、そこではじめて知ったのです、こういう雑誌が出たことを! 
文芸誌でビームスから年4回出ていて、ペーパーバック仕様。すごくかっこよくて、表紙のイラストもナイスで、ストリート感覚にあふれ、80年代に『SWITCH』が創刊されたときのような驚きでした。しかも毎号片岡義男さんが書いてらっしゃり、堀江敏幸さん、小池昌代さんなど「ことばのポトラック」の作家も寄稿されているとあればシンパシーを抱かずにはいられません。ですから、堀口さんから原稿のご依頼をいただいたときは二つ返事でOK!
毎号テーマがありますが、6号は「Sea of Love」。わたしはある夏のシーンをもとに「いるときはいますと彼は言った」という変なタイトルの短編を書きました。小説は依頼がないとなかなか気持ちをむけにくいですけれが、言葉で虚構世界と構築するというのはほかではできない体験であり、これは手放したくないな、と思いました。
『In the city』は、一般書店では置いてあるところとないところとあるようですが、代官山蔦屋書店ではフェア中だそうです。*写真は代官山蔦屋の店員さんのツイッター画像(2012.9.1)

9月のカタリココ、予約開始しました!

9月になりました! まだ暑くて秋の気分にはほど遠いですが、8月にリフレッシュできたところで今年後半がスタートです。9月のカタリココでは読書会というはじめての試みをいたします。昨年ご出演いただき大好評だった詩人・作家の平田俊子さんに再登場いただき、彼女とわたしがそれぞれに選んだ本について語る番外編。平田さんが取りあげたのは室生犀星の『蜜のあわれ』(講談社文芸文庫)、わたしのはアニー・エルノーの『シンプルな情熱』(ハヤカワepi文庫)。前者は超現実的なストーリー、後者は自身の恋愛体験を徹底描写した記録文学、と角度はちがうものの、現実的な視点が極まると超現実に突入するものだし、そもそも性愛やエロスは現実とは異る時空を彷徨う体験ですから、両者は同じ地平にあると言えます。
 まずはそれぞれが選んだ箇所を朗読して取りあげた理由を語り、そこからはもうフリートーク。フロアからの意見や質問も取り入れつつダイナミックに展開しますので、ふるってご参加ください。読まなくても参加可能ですが、読めば2倍におもしろいはず。ぜひ2冊の文庫を手にご参加ください。予約は会場のポポタムへ。(2012.9.1.)