大竹昭子のカタリココ

朗読イベント〈カタリココ〉&トークイベントのお知らせと「日々雑記」

おしらせ&雑記

8月はオフライン。9月にお会いしましょう!

カタリココをおこなっているいまは、それをやっていなかったときがどんなだったかを忘れてしまいましたが、ともかくはじめてからさまざまな出会いがあり、それがまた新しい出会いを運んでくるというように、世代を超えて、ジャンルをまたいで、数珠つなぎに関係がつながってきたのを感じます。カタリココで充分に人との出会いを体験できているので、それ以外の時間はひとりでひっそり自分の世界に浸っているのが楽しい、というメリハリの利いた暮らし。イベントのあるときは、よいこらしょと腰を上げて穴のなかから出て行く気分ですが、いざ人前に立てばスイッチが入る。自分はどういう性格をしているのだろうと思います、ほんとに。
さて、<カタリココ>も<ことばのポトラック>も前半が終わり、後半は9月からです。8月は穴のなかにこもります!内部はオフラインですので、連絡がつかなければごめんなさい。穴からの脱出は8月25日。そこからまた後半のプログラムにむけて始動します。
『すばる』8月号と『現代詩手帖』8月号に、「カタリココからはじまった。」と「個々のことばを持ち寄る「ことばのポトラック」」というエッセイを書きました。改めて行為の意味を振り返ることができ、いい区切りになりました。みなさま、よい夏をお過ごしください。(2011.8.1)

9月11日のカタリココ、ゲストは平田俊子さんです! 

「十月十六日午前八時ごろ、詩人・平田俊子さん(八十五歳)運転の車が群馬県赤城山山中で崖から転落し、平田さんと助手席の男性(八十八歳)が全身打撲のため死亡した。ブレーキを踏んだあとがないこと、男性の手足が縛られていたことなどから、警察では平田さんが無理心中をはかったのではないかと見て調べを続けている。(中略)
 平田さんは一九九四年詩集『ラッキョウの恩返し』でデビュー。独特の毒とユーモアを含んだ詩風が注目され、七冊の詩集のほか戯曲集などを発表した。二〇〇五年頃、母親の介護のため実家のある福岡に帰郷。以降、表現活動からは遠ざかっていた。
 なお平田さんのポケットから「ひき肉二五〇グラム」と書かれた紙片が見つかったが、これが遺書か、詩の一行か、買い物のメモかは不明」
 上記は平田俊子さんの『きのうの雫』に入っている「「ひき肉二五〇グラム」と書かれた紙片」からの抜粋です。なんと突飛な想像力!一読して平田さんが好きになりました。
 9月11日、平田俊子さんをお迎えしてカタリココを行います。平田俊子ファンはもちろんのこと、まだその世界に触れてない人はぜひ!虜になること請け合いです。予約はこちらへ→ポポタム

終了しました

今年前半のカタリココが終了! 次回は9月11日です。

R0015219_convert_20110724095710.jpgカタリココ5周年を記念しておこなった昨夜の3人鼎談はとても濃密な時間でした。思わぬ角度から思考を展開する穂村さん、そうですねと安易に同意せず自分流に考えを起こしていく長島さん。用意した答えを述べるのではなく、その場で問いを投げかけ合い、考え合うことから生れる独特のグルーヴ感がありました。
意外だったのは、短歌の世界では詠まれている内容がつくり手の体験に沿っているかどうかが議論の対象になるということ。つくり事かどうかが歌からわかるというのです。あんなに少ない言葉数から見抜けるのは、短歌がはるか昔からつづいてきた定型の表現だからでしょう。背後にそれを読み理解する長い経験の蓄積があるために可能なのです。
それに対し、写真の歴史はまだ浅く、変化の速度も速いです。でも、今後どうなっていくかを想像してみるのはおもしろいかもしれません。短歌とフィクションの関係は、写真とCGの関係に近いですが、現在ではデジタル加工がなされているかどうかを写真だけで判断するのはむずかしいけれど、経験が積み重なればそれも不可能ではないでしょう。遠い将来にはことばを介さず、写真を見せあうだけでコミュニケーションしている、そんなシーンが生れるかもしれません。
トークショーのおもしろさは思考の現場を見せ合うことです。いま考えているその姿をさらすゆえに、見ている側も活字で読むのとはちがう刺激を得られるのではないでしょうか。そんな手応えがあった夜でした。

8月は夏休みで、つぎのカタリココは9月11日、目白ポポタ厶に詩人で小説家の平田俊子さんをお迎えします。平田さんのユニークに迫るまたしても濃密な夜になりそう。すでに予約が開始しています。ご参加をお待ちしています。ポポタム  (2011.7.24)

草森紳一記念館「目玉の人」最終回が掲載されました!

長らく間が空いてしまいましたが、目玉の人に「『カメラ毎日』の時代」のつづきを書きました。これにて一応連載を終了いたします。ご愛読いただき、ありがとうございました。 

原稿をチェックしながら、久しぶりに草森さんに気持ちが引きもどされました。最近彼の本を2冊つづけて読んだことが関係しているのかもしれません。
1冊は『九蓮宝燈は、極楽往生の切符』。阿佐谷に開店したばかりの古書コンコ堂で見つけたもので、草森さんの著作は一応頭に入っているつもりでしたが、この本の存在は知りませんでした。
タイトルだけではなんのことやら、まったくわかりません。麻雀をする人ならピピッと閃くのでしょうが、あいにくジャン卓に縁のない私には意味不明で、ページを繰っているうちに麻雀について書かれたものだと察しがつきましたが、ルールがわからないから読んでもだめだろうといったんは本を置きかかりました。
でもきれいな装丁に後ろ髪を引かれ、なでたりページを拾い読みしているうちに、草森さんのものなら麻雀以外の話がおもしろいにちがいないはずだと買い求めて読んだら、予想どおりおもしろい! 

こういう書き手っていないなあ、ユニークな人だったなあと思っていたところに、今度は新刊がでました。『記憶のちぎれ雲』(本の雑誌社)。

編集者時代に出会った作家やイラストレーターの人となりと仕事を、自分自身の体験と織り交ぜながら語った、まさに草森紳一にしかできない語り口の「半自伝」です。知らないまに話がちがう方向に飛んでいったと思ったら、気づかないうちにまたもどっている、川の流れのようなゆったりした筆はこび。しかも曲線の合間には直線の鋭さが潜んでおり、全身がくまなくマッサージされるような小気味よさです。
『クイック・ジャパン』に連載されたこれらの原稿に書き下ろしを加えて単行本にまとめる予定だったそうで、巻末には草森さん自身が手書きした「構成案」が載ってました。
このなかに「西井一夫 書き下ろし50枚 附山岸章二」という項目を見つけ、『カメラ毎日』時代を作り上げた二人の編集者についてどんなことが書かれるはずだったのだろうとしばし思いを巡らせました。

ところで、8月8日から20日まで森岡書店で草森紳一写真展「本は崩れず」が開催されます。
草森さんが撮影した蔵書の写真を中心に、その他テーマ別に彼が整理していた写真を箱ごと展示、もちろん箱の中身も閲覧可能というユニークな写真展です。
初日の8日には矢崎泰久氏(元『話の特集』編集長)と南陀楼綾繁氏(文筆家・編集者)の対談も。あいにく、私はこの期間東京を離れていて伺えませんが、きっとおもしろいものになるでしょう!        (2011.7.19)

7月16日、<miniカタリココ>と<miniことばのポトラック>を出前します!

池袋ジュンク堂の「カタリココと私」展、いよいよ佳境にはいってきました!会場の様子を写真とともにお届けしましょう。エレベーターを9階で下りたら右へ、右へと進んでいき、突き当りのコーナーで開催されています。
天井からさがった「Katarikoko 5」のロゴポスター。窓のむこうには東池袋の高層ビルが見えます。
棚にはカタリココ出演者の写真と、「あの日のことで憶えていること」という文章が、著作とともに並んでおり、ふつうの売り場ではありえない本がとなり合ってます!
ジャンルの壁を越えると、同じ本がこんなにちがって見えてくる。その醍醐味を味わってください。
また棚の上では今年のカタリココが開催される古書店を写真入りで紹介。場所があってのカタリココですから、お店の協力はとても大事です。店主から私に、私からへと店主と双方向に送られたコメントをお楽しみに!
?????§??????¨???_convert_20110710122245下は「ことばのポトラック」コーナー。初回の出演者が選んだ「いま持ち寄りたい本」をコメントとともに展示しています4_convert_20110710130905.jpg










サラヴァ東京コーナーには、冊子「ことばのポトラック」とともにサラヴァの歴史的写真が。
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7月16日(土)このコーナーで<カタリココ>と<ことばのポトラック>を開催!
miniカタリココ 14時~15時
ゲスト:森山大道
森山さんの新刊『昼の学校 夜の学校+』を読んでいたら、中平卓馬の最近の写真について「中平が世界に指紋を残しつづけている感じで、ちょっと怖い」というコメントがありました。私も『彼らが写真を手にした切実さを』の最後で中平さんのことを書いたところ。ひさしぶりに森山さんとお話ししたくなり、ご登場を願いました。

miniことばのポトラック 15時~15時40分
出演:くぼたのぞみ、東直子、管啓次郎、Ayuo
司会:大竹昭子
冊子『ことばのポトラック』に登場するみなさんが朗読をいたします。Ayuoさんと管啓次郎さんは、アイリッシュハープの演奏と詩の朗読のデュオ。声と音楽とことばによる、ささやかな持ち寄りパーティーです。
*20席の予約を受け付けます。当日は立ち見となります。
TEL. 03-5956-6111
池袋ジュンク堂 (2011.7.10)


冊子『ことばのポトラック』の取り扱い店、増えつつあります!

ポロラックジャケット3月27日の「ことばのポトラック」の出演者が朗読したことばと書下しのエッセイを掲載、ほかに海外からルクレジオとピエール・バルーが寄稿してくれました。
サラヴァ東京の潮田あつ子バルーさんがダメモトでルクレジオに文章を寄せてくださいとメールしたのは4月、すぐに「よろこんで!」と返事がありましたが、なかなかそれが届かない。もうなしで出そう、というときに到着!すぐに管啓次郎さんが和訳、英語の原文とともに最初のページに載ってます。
正方形の厚さ5ミリの冊子にならんだ総勢17名のことばには、いまの思いが託されてます。記録することの意味を再確認するときが、この先幾度となく訪れるでしょう。
編集にはサラヴァの倉本芳美さんほか思潮社の藤井一乃さんが尽力くださいました。また、寄稿者ごとに文字量が異るというむずかしいレイアウトを見事にクリアしてくれた五十嵐哲夫のデザイン力にも感謝。
みんなの総意によってできたこの冊子は1冊1000円、うち200円が義援金にまわります。

●都内の取扱店
池袋  ジュンク堂本店9階<カタリココと私>展会場
千駄木 古書ほうろう
神保町 ボヘミアンズ・ギルド
茅場町 森岡書店
目白  ポポタム
東池袋 古書往来座
青山  ギャラリーときの忘れもの
渋谷  フライング・ブックス
阿佐谷 古書コンコ堂
西荻窪 音羽館
吉祥寺 百年


●地方の取扱店
札幌  書肆吉成
金沢  オヨヨ書林
軽井沢 本とコーヒー 麦小舎
名古屋 シマウマ書房
名古屋 ちくさ正文館
大阪  イトヘン・ギャラリー
神戸  カフェ・アミチエ
倉敷  蟲文庫
福岡  ブック・キューブリック

冊子を置いてみたいというお店、ひとり取次ぎをしてみたいという方、歓迎です。
5冊から卸価格でおわけします。サラヴァ東京にご連絡ください。
kotobanopotoluck@gmail.com

さまざまな言語の横断者たちが集った究極の「ことばのポトラック」!

??????????????????????????????_convert_20110705195810大震災後に「ことばのポトラック」を提案したときのことを思い返してみると、マスコミやネット上のことばに翻弄されている自分がいた。とくに原発については何が正しい情報なのかわからず、また知ったところでどう行動すべきなのか見当もつかず、戸惑いを隠せなかった。
 そのときに思ったものである。いまは情報をかき集めて対策をねっている場合ではないと。それよりふつうに生活しつづけるガッツと平常心をもつことだと。それに役立つのはマスコミのことばではなく、個々が発する率直な声なのだと思った。
 7月3日におこなわれた第3回「ことばの橋をわたって」には、母語と日本語のあいだを揺れ動いている在東京の外国人が出演してくださった。震災の体験をふまえて発せられた彼らのことばは、日々、日本語で生きている私には想像できないさまざまなディテールに満ちていた。ふたつの(あるいはそれ以上の)言語を生きている彼らは、日本語のみで暮らしている私たち以上に複雑な心境・状況を生きている。そのことに初めて気づかされた。
 街の随所で「ばんばれ!日本」という標語を見るたびに覚える違和感。顔の見える個人が発すならともかく、行政だか企業だかによって大量印刷されたものに声高にそう呼びかけられることの気色悪さ。
 出演してくださった方々の声は、そうしたお決まりの「日本」の枠を越え、「日本語」という言語も越え、地球の上にのっているこの島に暮らし、ともにその空気を呼吸している者の肉声として胸に響いた。生きる歓びを心から分かち合えたひとときだった。(2011.7.5)

ABC本店で『彼らが写真を……』フェア中!

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『彼らが写真を手にした切実さ』(平凡社)では森山大道にはじまる10人の写真家の仕事をとおして、<日本写真>の特徴を考えてみました。欧米の作家となにかがちがう。欧米寄りに見えるホンマタカシですら、ちがう感じがする。それは何なのかを探ってみたかったのです。フェアではそれぞれの写真集からこれと思う1冊を選びだし、コメントしました。新刊書店ですから絶版本ではだめで、いま生きている本から選んでみました。以下が取りあげた本です。どんなコメントが書かれているかはABC本店へどうぞ!(2011.7.1)

森山大道『NORTHERN 3』
荒木経惟『アラーキー・バイ・アラーキー〈ARAKI by ARAKI〉』
篠山紀信『元気な時代、それは山口百恵です』 
中平卓馬『Documentary』
左内正史『Trouble in Mind』
藤代冥砂『もう、家に帰ろう』
長島有里枝『SWISS』
蜷川実花『ノワール』
大橋仁『目のまえのつづき』
ホンマタカシ『Trails』