大変にお待たせいたしました!
2019年のカタリココのラインナップを発表いたします。今年も熱の入った内容ですので、ご期待ください。
よく、ゲストはどうやって決めるのですかと訊かれます。新年会のときにみんなでアイデアをもちって合議しますが、ほとんどの場合が縁をたどってその人に行き着きます。
たとえば今年11月に登壇いただく小説家の小山田浩子さんは、昨年古書ほうろうの滝口悠生さんのカタリココのときに、たまたま上京中でお越しくださり、打ち上げにも参加していただきました。小山田さんはいつかお呼びしたいとは思っていましたが、なにせ広島にお住まいですから、おいそれとはお願いできないな、と思っていたところ、その場でちらっとお話したら、ぜひ!と言ってくださり、めでたく実現いたしました。
9月の回にお迎えする諏訪敦さんも同様で、昨年、森岡書店で彼が展覧会をなさったときにはじめてお会いし、こっそりとこちらの気持ちを打ち明けたところ、快諾くださったのです。諏訪さんの絵画作品はもちろんのこと、『芸術新潮』の書評の連載も愛読しており、とても光栄に思っています。
鴻池朋子さんと志賀理江子さんは、「ことばのポトラック」に出演いただいたご縁です。
志賀さんは春に「ヒューマン・スプリング」を開催、鴻池さんは現在、瀬戸内芸術祭に参加中で、おふたりともその活動を常に注視している作家です。いまなにを考えていますか。そんな問いを折りに触れて投げ掛けてみたいおふたりなのです。
幕開けは6月2日の鴻池朋子さん。こちらはもう予約がはじまっていますので、ぜひご参加ください!
もうひとつ今年のニュースをお伝えいたします。
カタリココ出版部を立ち上げることになりました!
昨年の福田尚代さんの回がとてもおもしろく、対談を文字に起こして冊子を作ったところ、とても好評で気を良くしました。なにしろ編集作業が楽しいんです。
この冊子は福田さんの所属する小出由紀子事務所が出してくださいましたが、今後はカタリココが版元となって出版いたします。第1号は2015年にご出演いだただいた高野文子さんとのトークです。ぜひご期待ください。(大竹昭子)
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◎日時 6月2日(日) 17時00分開場/17時15分開演
予約開始 5月2日(木)12時よりメール予約
ゲスト 鴻池朋子(美術家)
定員 30名
会場 目白・ブックギャラリーポポタム
〒171-0021 東京都豊島区西池袋2-15-17
電話 03-5952-0114
HP
http://popotame.net根源的暴力。2015年の展覧会タイトルだったこの言葉を目にしたとき、身の毛がよだつ思いがした。恐ろしいのに、魅力的で、すごく惹かれれしまうのが後ろめたい言葉だった。2009年のオペラシティ「インタートラベラー 神話と遊ぶ人」で初めて展覧会を見て圧倒されていた私は、ちょうどこの頃に生活の一部が心の重荷になっていたことが理由で、足を運ぶことができなかった。見るのが怖かったのです。今はそれをとても後悔しています。(大林)
鴻池朋子(こうのいけ ともこ)プロフィール
1960年秋田生まれ。現代の神話を様々なメディアを用いてサイトスペシフィックに表現。芸術の問い直しを試みている。近年の個展では、2017年「根源的暴力」 群馬県立近代美術館 他巡回(芸術選奨文部科学大臣賞受賞)、2018年「Fur Story」リーズ美術大学(イギリス)、「ハンターギャザラー」秋田県立近代美術館。現在、瀬戸内国際芸術祭2019が開催中。著書に『どうぶつのことばー根源的暴力をこえて』『ハンターギャザラー』他(すべて羽鳥書店)。
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◎日時 7月13日(土)14時30分開場 15時00分開演
予約開始 6月13日(木)12時より電話・メール予約
03-3294-3300/natsume@natsume-books.com
ゲスト 志賀理江子(写真家)
定員 50名
会場 ボヘミアンズ・ギャラリー
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-25 神保町会館3F
HP
http://natsume-books.com志賀さんの写真をはじめて見たのは、いつだったろうか。 暗い画面から漂う尋常ではない雰囲気に胸がざわついたのを記憶している。当時は露悪的にとらえてしまっていた。しかし今ではさまざまな事象に真摯に全身で向かい合う彼女の姿勢に打たれてしまっている。志賀さんには語るべき言葉が沢山あり、私たちはそれらをよく聞き、自分で考えなければならないと思う。(神谷)
志賀理江子(しがりえこ)プロフィール
写真家。1980年、愛知県岡崎市生まれ。英Chelsea College of Art and Design 2004年卒業。2008年より宮城県に移住。11年東日本大震災の際、津波でアトリエを失うも精力的に制作を続ける。主な個展に12年 「螺旋海岸」展(せんだいメディアテーク)、17年「ブラインド・デート」展(猪熊弦 一郎現代美術館)、19年「ヒューマン・スプリング」(東京都写真美術館)がある。写真集に「Lilly」「CANARY」「カナリア門」「螺旋海岸」「ブラインドデート」。
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◎日時 9月21日(土) 19時開場/19時30分開演
予約開始 8月21日(水)13時より電話予約
ゲスト 諏訪敦(画家)
定員 30名
会場 銀座・森岡書店特設会場
電話 03-3535-5020
FB
http://facebook.com/yoshiyuki.morioka.7写真ついて独自の評論を行う大竹昭子さんが、諏訪敦さんの絵画をどのように「視る」かに関心があります。また、諏訪さんは『芸術新潮』にて書評の連載を担当し、大竹さんは朝日新聞書評委員の経験があるなど、お二人とも精力的に書評を書かれています。この時代に本を読む意義、或いは「視る」ことへの影響などもお聞きできたらと考えています。(森岡)
諏訪敦(すわあつし)プロフィール
1967年北海道に生まれる。武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。同大学大学院修士課程修了。同大学教授。画家。1994年文化庁芸術家派遣在外研修員に推挙、2年間スペインに渡る。2014年絵画作品集『Blue』を青幻舎より刊行。
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◎日時 11月11日(月)19時開場 19時30分開演
予約開始 10月11日(金)13時より電話・メール予約
03-3824-3388 / koshohoro@gmail.com
ゲスト 小山田浩子(小説家)
定員 30名
会場 古書ほうろう
〒110-0008 台東区池之端2-1-45(東京大学池之端門前)
HP
http://horo.bz小山田さんの小説と出会ってまず感じたのは、こんなに読みやすいのになぜかページは進まない、ということでした。それはおそらく目に映るものが細部まで濃密に描かれ立ちのぼってくるためで、さらにはほぼ改行のない文字の壁のような版面とも相まって、つねに圧迫感のようなものが横たわっているせいでしょう。でも、それこそが小山田作品の魅力。異界へのお膳立てとしても効いていて、昨年出た短篇集『庭』では、そのような特徴がより際立って感じられました。写真家でもある大竹さんがこの特異な文体にどのように迫るのか、楽しみにしています。(宮地)
小山田浩子(おやまだひろこ)プロフィール
1983年広島県生れ。2010年「工場」で新潮新人賞を受賞してデビュー。2013年『工場』で織田作之助賞受賞。2014年「穴」で芥川賞受賞。他の著書に『庭』がある。広島東洋カープファン。
*参加費は各回共通1800円です。
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