大竹昭子のカタリココ

朗読イベント〈カタリココ〉&トークイベントのお知らせと「日々雑記」

おしらせ&雑記

たけなみゆうこさんのイラスト『間取りと妄想』展は6月20日からです!

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card2_convert_20170614175636.jpg短編集『間取りと妄想』を完成するのに欠かせなかったのは、たけなみゆうこさんの尽力です。たけなみさんとお仕事したのは、雑誌の連載にイラストをお願いしたのがはじまりでした。「かわいい」「ほっこりした」と形容されるイラストが苦手なわたしは、頓知の利いたどこかシュールな趣のあるたけなみさんのイラストに共感を覚えました。

『間取りと妄想』の企画がもちあがったときも、ですから、すぐにたけなみさんを思い浮かべたのです。間取りの原案は私が描きますが、それを見映えのするイラストに仕上げるにはプロの手を借りならず、建築家のバックグラウンドをもつ彼女ほど、その役にふさわしい人はいないと思えたのでした。

実際、お願いして大正解でした。この長さの階段では二階まで上がれませんとか、小屋ふうならシャワー室で充分では?とか、専門家ならではの提案していただき、ただの妄想を超えて「ちゃんと建つ家」を登場させることができました。

今回のたけなみさんの初個展では、『間取りと妄想』のなかの一軒を模型にして見せるほか、内・外や陰・陽から着想した、ちょっと時空のゆがんだような奇妙なイラストがたくさん展示されます。あるようでないような世界に、脳の片隅が刺激されてチリチリするような感覚が味わえることでしょう!

20日のオープニングでは、『間取りと妄想』のなかの一編をわたしが朗読します。6時半くらいからで、予約不要ですので、どうぞお気軽にお越しください。(2017.6.15)

2017年6月20日(火)〜25日(日)13:00〜20:00
森岡書店銀座店 中央区銀座1-28-15 鈴木ビル1階 電話03-3535-5020
詳細はこちら→http://kotomomo.com/yuko/?p=299

6月の迷走写真館はこの写真です!


3389b666-s.jpg写真を見てまず目に飛び込んできたのは、腰の曲がった老人、つぎにその人影の上にあるマークという順番でした。白昼のガソリンスタンドのまぶしいほどの明るさに、時代が出ています。決定的瞬間ふうの写真ではないですが、まさにこの一瞬が感じられてなりません。ギャラリーときの忘れもの

つぎのカタリココのゲストは名久井直子さんです!

『間取りと妄想』の装幀をしてくださった名久井直子さんに登壇いただきます。名久井さんのお仕事は幅が広いものの、こうした建築寄りの装幀は見たことがないように思い、お願いしました。未知のものに挑戦していただくと、その人の本当の力に触れられるのでスリリングですが、その予想を裏切らない見事な出来映えでした。青焼き図面の記憶がたちあがってくるようなジャケット、巻かれた帯にもため息がでます。
こんなにいい仕事をしていただくと、トークへの期待は高まります!残席は5席くらいだそうですので、ご興味のある方はお急ぎください。

◎6月22日(木)19時開場、19時半開演
 会場:ブックギャラリーポポタム(目白)
 料金:1500円
 予約はポポタム

短編集『間取りと妄想』が書店に並びはじめました!

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間取り図をつくり、そこから13の短篇を妄想する、とまさに『間取りと妄想』というタイトルのどおりの短編集です。
 ちいさいときから間取りを見たり、描いたり、街を歩きながら人の家のなかを想像したり、知り合いの住まいを見せてもらったりするのが大好きで、だから子供のときの夢は「建築家!」でしたが、算数ができないとダメだとわかってあえなく断念しました。その無念な思いを晴らしたいという気持ちがどこかにあったのか、間取りの物語はいつか書いてみたいと思っていたテーマのひとつでした。

「マドリスト」なんて言葉もあるくらい、世間に間取り好きは多く、しかも彼らの楽しみは間取りからいろんなことを妄想することであるのは、「間取り」と「妄想」と入れてインターネットで検索すると驚くほどたくさんヒットすることからもわかります。

もしかしてこれは日本的な傾向かもしれない、と最近ふと思い当たりました。
日本の狭い住環境のもとでは、思いもしない奇想天外な間取りが生まれ、またそのなかでの暮らしぶりも外観からは想像がつかないことが多いです。
同じことは、わたしたちの行動にもいえ、内と外という概念に規定されて、人の外側にあらわれる表情や態度などが、心のなかで感じ思っていることとちぐはぐになるということがよく起きます。つまり、間取りは人間の内面、人体の内側、意識世界、見えない領域などのアレゴリーでもあるわけで、そんなことがマドリストが多いことと関係があるのかもしれません。

間取りが示唆するそうした要素を、あたまのなかでころがしながらつむいだ13の物語。
付録に間取り図リストをつけたので、読みながら参照すると間取りをイメージしやすいですし、またこれを手がかりに妄想力を全開にしてそれぞれの物語に浸ってみるのもいいでしょう。
装幀は名久井直子さん、イラストはたけなみゆうこさん。青焼きのような表紙が内容とぴったりマッチし、うっとり見入ってしまうようなすばらしい仕上がりです!(2017.5.31)

5月26日に荻窪Titleでトークをします!

俳句と写真は似ている、と言われるけれど、また「俳句写真集」なるものもたくさん出ているけれど、なんかピリッとしないんです。夕暮れの句に夕暮れの写真とか、桜の句に桜の写真とか! 

5月26日に荻窪Titleにて、「写真とことばの編集術」をおこないます。どうやって『鉄砲百合の射程距離』をつくったか、編集段階で落としたものもお見せしたりしたり、他の写真に句をあてはめたりして、両者にふさわしい距離を見つけ出します。

さらには、ほかの写真家(例えばアラーキー)と美紗さんの句を合わせてみるとか!
大道さんの写真に、芭蕉の句を合わせるとか!
なんてこともしてみたいと思います。

写真とことばの関係は、アタマで考えるよりも、具体的な例を前に考えたほうがずっとおもしろいし、経験値も上がる、といは自著のなかに写真を入れたり(『図鑑少年』)、一枚の写真をことばにしてみたり(『この写真がすごい』)、写真とことばの関係について試行錯誤をつづけてきたわたしの実感です。

写真集のタイトルに悩んでいるひと、俳句に写真をつけたいと思っているひと、エッセイと写真をいっしょにした本をつくりたいひと、写真集にキャプションとはちがう文章を入れたいと思っているひと。どうぞご参加ください!→Title

内田美紗さんと森山大道さんをゲストに、ことばと写真の関係を探りました。

内田美紗さんにお会いしたきっかけをお話し、「森山大道さんのお姉様です」とご紹介すると、会場にどよめきが起きました! この事実はほとんど知られていませんが、大道さんの写真と美紗さんの句をあわせて『鉄砲百合の射程距離』(月曜社)をつくったポイントはその事実を知らせることではないので、本のなかでは隠したものの、こうしておふたりが並んだからには公表しないわけにはいきません!
katarikoko_-29_convert_20170429163940.jpgkatarikoko_-19_convert_20170429164154.jpgまず本の感想を伺ったところ、森山さんのセリフがふるっていました。「姉のほうがヤクザだなあ。ボクは写真の世界ではちょっとはヤクザかもしれないけど、姉のほうが上手。見知らぬ人がここにいるという感じがする」。
そもそも、その人のふだん見えない部分が表れ出るのが表現行為のおもしろさです。その度合いが高いほどすぐれた作品です。一方、知らないのに知っているような気になってしまうのが兄弟関係。本書に接した森山さんの驚きは両方の相乗効果だったのでしょう。
冬苺
おふたりに共通するものに官能性があります。俳句と写真のセレクト作業をしながらそれを強く感じました。色っぽさ、人間のあやうさ、いやらしさに目を留めるところ、ぷるぷると震えるような瞬間を見逃さないところが似ているのです。ですから、本書ではその部分を強調しました。美紗さん曰く、「セクシーであることは大事です、男でも女でもそう。フランスの作家が、異性から興味をもたれなかったらその人は終わる、と言ってますけど、そう思うんです」。
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私のなかにつねにあるのは、「表現とは何か」という問いかけで、話はおのずとその方向に進んでいきました。
「表現っていうのは基本的にあざといものだと思うんです」(美紗)
「そうだね、隠しても隠して見えてしまう」(大道)
つまり、表現者になったからにはあざとさから逃げられない、自分のあざとさを自覚しつつ、それに流されずにどう緊張感を維持するかが勝負のしどころなのですね。

改めて、表現とはその人が世界をどう認識しているかを表明する行為なのだと感じました。人生のあれやこれやの出来事や、それにまつわる感想や情感を伝えるものではない、それではお話の域を出ず作品には昇華しません。日々を生きながら実感していることを人間の事象として普遍化させる作業なのです。MisaDaido_cover_obi_W640-min_convert_20170430115854.png「内田美紗」という特異な才能を、結社の周辺で事が進んでいく俳句界に留めておくのはもったいない、トークをしながらつくづくそう思いました。彼女の作品がジャンルの境界を超えて多くの読者に届くよう、その活動の場が広がるよう微力ながら努めていくつもりです。

5月7日まで森岡書店銀座店にて、美紗さん、大道さん、わたしのサインがはいった『鉄砲百合の射程距離』を販売しています。この本に登場する森山さんの写真展も同時開催。大道さんの写真もお手頃な価格で買い求められますので、ぜひお立ち寄りください。一般書店での販売は連休明けからになります。撮影:谷本恵(2017.4.30)

4月の迷走写真館はこの写真です!

f3c11e0c-s.jpgセピア色のこの写真を見て、魅了されない人はいないでしょう。少女のまわりにあるひとつつひとつの物がおもしろく、セッティングされた状況に置かれた彼女の何かを問うような表情も気になり、引き込まれます。

いまでは、こういう撮り方が試みられることはなくなりましたが、写真からは幸運にもカメラを手にした者のはりきりぶりや初々しい興奮が伝わってくるように感じます。ギャラリーときの忘れもの

3月5日に開催した「ことばのポトラック」のご報告です!

170305_1.jpgご報告がおくれてすみません。3月5日に美術家の鴻池朋子さんとお迎えしておこなった第13回「ことばのポトラック」のレポートを、写真とともにポトラックのウェブにアップいたしました。寄付金は「3.11こども文庫」にお贈りしました。そのご報告もあわせてお読みいただけます。
「ことばのポトラック」は今後もつづいていきます。来年のゲストの方も決まりましたので、追々お伝えいたします!→ことばのポトラック(2017.4.8)

2017年<カタリココ>のラインナップ発表です!

katarikoko2017coverW320_convert_20170319124219.png毎年、この季節になると、今年のカタリココは決まりました?と訊いてくださる方がいます。はい、間もなく発表しますので、Webをご覧ください、とお答えします。チラシの文面を書いたり、デザインをお願いするために1月には決まっているのですが、ぐっと堪えるのです。発表は春の到来とともに!ですから。 

10周年の昨年は赤色のチラシでしたが、11年目に入る今年はご覧のとおりクールで爽やかな色調。前回の三つ折りが好評だったので、今年もそういたしました。各回の言葉はそれぞれのお店が担当し、裏面には、どうやってゲストを決めていくかを私が書いた「芋のツルをたどるように」が載せました。デザインは五十嵐哲夫さん。毎回、細部に工夫を凝らした品のあるチラシをつくってくれます。

チラシは、開催会場の森岡書店、ポポタム、古書ほうろう、ボヘミアンズ・ギルドほか、下北沢B&B、渋谷サラヴァ東京などでもピックアップできます。
4月から11月まで、ジャンルのちがう四人四色の面々が登壇する11年目のカタリココを、どうぞよろしく!
*チラシの内容をご覧いただくには上記の「これからのカタリココ」をクリックください(2017.3.19)

3月の迷走写真館はこの写真です!

8ddcd4cd-s.jpg最初にこの写真を見て浮かんできたのは、五体投地のシーンです。
実際に見たことはないですが、チベット仏教の人々が五体を地面に投げ打って神に祈る姿は写真などで目にしており、そのイメージと重なりました。
でも手間側に岩を積んで囲いが出来ているのを見ているうちに、別の想像も浮かんできました。
写真についてなんの情報もなく眺めるとき、知っている事柄を参照して考えたり、記憶にあるほかのイメージとつなぎあわせて想像を馳せたりするものです。
まったく見当ちがいのことを考えていることもありますが、こと、この写真についてはまんざら遠くもなかったようです。文章を読んだあと、別枠の解説をご覧ください。→ときの忘れもの