大竹昭子のカタリココ

朗読イベント〈カタリココ〉&トークイベントのお知らせと「日々雑記」

〈カタリココ〉はトークと朗読のイベントです。
「語り」と「ここ」を合わせて〈カタリココ〉。
都内の四つの古書店を会場に、ゲストとトークしながらそれぞれの著書を朗読します。

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〈カタリココ〉〈カフェ・カタリココ〉以外の書店のイベント、写真のレクチャー、
シンポジウムなどについてご案内いたします。
写真:「西荻ブックマーク」主催の写真レクチャー&トーク

その他のイベント

大竹昭子(おおたけ・あきこ)
ノンフィクション、エッセイ、小説、写真評論など、ジャンルを横断して執筆。2007年にトークと朗読の会〈カタリココ〉をはじめる。また2011年3月に東日本大震災後、詩人や作家にことばをもちより朗読してもらう「ことばのポトラック」をスタート、現在も渋谷・サラヴァ東京にて継続中。 著作リストtwitter

[web連載]ときの忘れもの「迷走写真館」, 紀伊國屋書店「書評空間」, 月曜社「森山大道のon the road」, 草森紳一記念館「白玉楼中の人」

おしらせ&雑記

7月のカタリココは写真家の志賀理江子さんをお迎えいたします!

76_thum.jpg今春、志賀理江子さんは東京都写真美術館で「ヒューマン・スプリング」展をおこないました。額装したりパネル張りして見せる従来の展示とは大きく異なり、写真作品が貼られた立方体の箱が並べられ、眺める位置によってイメージの重なり具合が変容するところが独特でした。志賀さんの展示はいつもそうですが、単に斬新というだけに終わらない、深い思考の結果が空間作りに現れます。
また作品から、撮影の現場がどんなふうだったか想像せずにはいられないのも特徴でしょう。撮影はイメージを呼び込むための儀式だ、と志賀さんは言います。これはモデルをつかってスタジオ撮影する写真家の場合も同じかもしれませんが、儀式をおこなうことで何を問いかけるか、というところに志賀さんの作品の本質があります。会期が終わって3カ月ほどたったいま、展覧会の体験をどのように振り返っているかを伺いたいと思います。予約はすでにはじまっています。

◎日時  7月13日(土)14時30分開場 15時00分開演
予約    電話かメール 03-3294-3300/natsume@natsume-books.com
定員   50名
会場  ボヘミアンズ・ギャラリー 東京都千代田区神田神保町1-25 神保町会館3F
HP   http://www.natsume-books.com/news.php#326

志賀さんとトークするのは2017年の「ことばのポトラック」に出演いただいて以来です。そのときのトークのダイジェスト映像が公開されていますので、ご覧になってみてください。彼女の思考の軌跡がたどれると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=YcXIcoin-4U&t=12s(2019.6.27)

『東京凸凹散歩』が出来ました!

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長らく品切れになっていた『日和下駄とスニーカー』がタイトルを改め、改訂版として店頭に並びはじめました。
まず、散歩コースを歩き直して現状にあわせて修正、地図を大きく見やすくしました。
しかも、口絵を二箇所に入れてカラー写真を掲載。文章も徹底してバージョンアップしました(アカ字王!)。
読んで楽しく、歩いて使えるものになったと自負しています。
改訂作業のために都心をかなり歩き回りましたが、ここ数年でずいぶんと変わっていました。歩く楽しみにまた火が点いた感じがし、その意味でもこの本を上梓できたのはうれしい出来事でした。やっぱり街が好きなんです。(2019.6.25)

2019年6月、美術家・鴻池朋子さんのカタリココ

P1020769_convert_20190608153940.jpg鴻池朋子さんが今年の瀬戸内芸術祭に参加し、香川県大島で制作するのを知ったのは、昨年のこと。2017年に能登芸術祭で彼女のサイトスペシフィックな作品を見て魅了されたので、大島にも期待を寄せ、カタリココの前に見に行くつもりでいました。
 ところが、鴻池さんに連絡をとると、行くのはまだ早い、夏になってからのほうがいい、というのです。どうしてかな、まだ早いってどういうことかな、という首を傾げたのですが、カタリココでお話を聞いてその謎が解けました。
 大島は国立ハンセン病療養所大島青松園がある島です。4年前からそこの使われなくなった施設を利用してワークショップや展示が行われており、今年はじめて鴻池さんが参加することになりました。行ってすぐに施設内を案内されて説明を受けたものの、そこに作品を設置することには違和感を覚えたと言います。ここで展示をするなら、たくさんの記憶と意味がまとわりついた空間を引き受けなければならない。でも、まだ何も理解できていない自分にそれは不可能、初心からはじめたい、と施設を飛び出し、島のなかを歩きました。そして薮のなかにあった道の名残りを発見、それを再生することにしたのです。
_convert_20190608154138.jpg草刈り鎌を手にヤブコギして、ようやく周囲4キロの道を発掘し終えたところです。道々に患者さんの言葉などを記した看板を設置しよう、とか、動物の皮に描いたペインティング作品をぶら下げてみよう、などというアイデアがやっとではじめました。だから「夏になってからのほうがいい」のです。
 その道はかつて患者さんたちが散策に使っていましたが、島を離れたり亡くなったりする人が増えて使われなくなり、草に覆い隠されました。その道を復活させることのどこがアートなの?という問いを抱く人がいるかもしれませんが、それこそが鴻池さんが突きたい点なのです。作家のエゴや主張が「アート」の名のもとに疑問に付されず了解されてしまう現実を彼女は危惧します。作品とはなにか、ものを制作するというのはどういう行為なのか、という自問自答と作品は切り離せない関係にあり、すべてをひっくるめて美術行為なのです。_convert_20190608154450.jpgP1020781_convert_20190608172628.jpg
 芸術祭が盛んでサイトスペシフィックな作品が増えており、過疎の島や村を再興する任務をアートが負わされたりしています。でも、ものめずらしい作品を飾って人目をひくことが目的になったら最悪、テーマパークと同じです。
 能登芸術際で鴻池さんの作品を見るために岬の突端へと登っていき、頂から原始の世界を想わせる奇妙な色の岩を見下ろしたとき、作品が置かれていなければここにはこなかっただろう、と思いました。牛に引かれて善光寺参りという昔話がありますが、作品に見たさに登っていったゆえにその光景に遭遇したわけで、もしかしたら現代美術とはその牛のような存在なのかもしれません。見過ごされてしまう場所にマークをつけて誘うのです。
 毎回、カタリココでは朗読をおこないますが、今回は鴻池さんと共演してみました。彼女の著書『ハンターギャザラー』にでてくる「ドリームハンティンググラウンド」を朗読劇ふうにふたりで交互に読み上げたのです。リハーサルが一回だけだったわりにはうまくいき、声で追いかけあううちに熱の渦ができてくるような実に新鮮な体験でした!(2019.6.8)

2019最初のカタリココは美術家の鴻池朋子さんをお迎えしました!

P1020769_convert_20190608153940.jpg鴻池朋子さんが今年の瀬戸内芸術祭に参加し、香川県大島で制作するのを知ったのは、昨年のこと。2017年に能登芸術祭で彼女のサイトスペシフィックな作品を見て魅了されたので、大島にも期待を寄せ、カタリココの前に見に行くつもりでいました。
 ところが、鴻池さんに連絡をとると、行くのはまだ早い、夏になってからのほうがいい、というのです。どうしてかな、まだ早いってどういうことかな、という首を傾げたのですが、カタリココでお話を聞いてその謎が解けました。
 大島は国立ハンセン病療養所大島青松園がある島です。4年前からそこの使われなくなった施設を利用してワークショップや展示が行われており、今年はじめて鴻池さんが参加することになりました。行ってすぐに施設内を案内されて説明を受けたものの、そこに作品を設置することには違和感を覚えたと言います。ここで展示をするなら、たくさんの記憶と意味がまとわりついた空間を引き受けなければならない。でも、まだ何も理解できていない自分にそれは不可能、初心からはじめたい、と施設を飛び出し、島のなかを歩きました。そして薮のなかにあった道の名残りを発見、それを再生することにしたのです。
_convert_20190608154138.jpg草刈り鎌を手にヤブコギして、ようやく周囲4キロの道を発掘し終えたところです。道々に患者さんの言葉などを記した看板を設置しよう、とか、動物の皮に描いたペインティング作品をぶら下げてみよう、などというアイデアがやっと出はじめました。だから「夏になってからのほうがいい」のです。
 その道はかつて患者さんたちが散策に使っていましたが、島を離れたり亡くなったりする人が増えて使われなくなり、草に覆い隠されました。その道を復活させることのどこがアートなの?という問いを抱く人がいるかもしれませんが、それこそが鴻池さんが突きたい点なのです。作家のエゴや主張が「アート」の名のもとに疑問に付されず了解されてしまう現実を彼女は危惧します。作品とはなにか、ものを制作するというのはどういう行為なのか、という自問自答と作品は切り離せない関係にあり、すべてをひっくるめて美術行為なのです。_convert_20190608154450.jpgP1020781_convert_20190608172628.jpg
 芸術祭が盛んでサイトスペシフィックな作品が増えており、過疎の島や村を再興する任務をアートが負わされたりしています。でも、ものめずらしい作品を飾って人目をひくことが目的になったら最悪、テーマパークと同じです。
 能登芸術際で鴻池さんの作品を見るために岬の突端へと登っていき、頂から原始の世界を想わせる奇妙な色の岩を見下ろしたとき、作品が置かれていなければここにはこなかっただろう、と思いました。牛に引かれて善光寺参りという昔話がありますが、作品に見たさに登っていったゆえにその光景に遭遇したわけで、もしかしたら現代美術とはその牛のような存在なのかもしれません。見過ごされてしまう場所にマークをつけて誘うのです。
 毎回、カタリココでは朗読をおこないますが、今回は鴻池さんと共演してみました。彼女の著書『ハンターギャザラー』にでてくる「ドリームハンティンググラウンド」を朗読劇ふうにふたりで交互に読み上げたのです。リハーサルが一回だけだったわりにはうまくいき、声で追いかけあううちに熱の渦ができてくるような実に新鮮な体験でした!(2019.6.8)

6月の「迷走写真館」はこの写真です。

c7d19f93-s.jpg短パンの男が椅子の上に立って背中をむけている。
なにをしているのか気になる。
左腕を上にあげて電球を取り替えているようでもあるが、昼間からそんなことをするだろうか。
男の右腕がどうなっているかも不可解。
奥から歩いてくる犬がいやに堂々としている。後ろにいるニンゲンたちを先導しているかのよう。
ニンゲンに頼らずに自立している感じがする。
表通りとは異なる生活倫理が支配している路地の光景だ。→ギャラリーときの忘れもの(2019.6.8)

2019年のカタリココのゲストを発表いたします!

今年のラインナップも気合いが入っています。熱のこもったトークが繰り広げられること請け合いです!
予約開始日とゲストのプロフィールはこれからのカタリココでご確認ください。
各会場の担当者による熱のこもったコメントも載っています!(今年のビッグニュースもあり!)
幕開けの鴻池朋子さんの予約はもうはじまっていますので、ぜひご参加ください!(2019.5.5)

◎6月2日(日)
ゲスト 鴻池朋子(美術家)
会場 目白・ブックギャラリーポポタム

◎7月13日(土)
ゲスト 志賀理江子(写真家)
会場 神田神保町・ボヘミアンズギャラリー

◎ 9月21日(土)
ゲスト 諏訪敦(画家)
会場 銀座・森岡書店特設会場

◎11月11日(月)
ゲスト 小山田浩子
会場 上野池之端・古書ほうろう

*参加費は各回共通1800円です

5月の迷走写真館はこの写真です!

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思わず顔がほころんでしまう写真です。懐かしい!という声も聞こえてきそうです。でも、ちんどん屋さんが街を練り歩いていた頃は実はそんなことは思いませんでした。子ども心にも、ダサくてうっとうしいなあ、と思っていたものです。
それなのに、この写真を見ると「懐かしい」。なぜでしょう。
過去にも現在にも未来にも存在しない、この写真の中にのみ見いだせる時空がこうした感情を生じさせるのです。写真のマジックですね。→ギャラリーときの忘れもの(2019.5.5)

2019年のカタリココに登壇いただくのはこの方々です!

大変にお待たせいたしました!
2019年のカタリココのラインナップを発表いたします。今年も熱の入った内容ですので、ご期待ください。

よく、ゲストはどうやって決めるのですかと訊かれます。新年会のときにみんなでアイデアをもちって合議しますが、ほとんどの場合が縁をたどってその人に行き着きます。
たとえば今年11月に登壇いただく小説家の小山田浩子さんは、昨年古書ほうろうの滝口悠生さんのカタリココのときに、たまたま上京中でお越しくださり、打ち上げにも参加していただきました。小山田さんはいつかお呼びしたいとは思っていましたが、なにせ広島にお住まいですから、おいそれとはお願いできないな、と思っていたところ、その場でちらっとお話したら、ぜひ!と言ってくださり、めでたく実現いたしました。

9月の回にお迎えする諏訪敦さんも同様で、昨年、森岡書店で彼が展覧会をなさったときにはじめてお会いし、こっそりとこちらの気持ちを打ち明けたところ、快諾くださったのです。諏訪さんの絵画作品はもちろんのこと、『芸術新潮』の書評の連載も愛読しており、とても光栄に思っています。

鴻池朋子さんと志賀理江子さんは、「ことばのポトラック」に出演いただいたご縁です。
志賀さんは春に「ヒューマン・スプリング」を開催、鴻池さんは現在、瀬戸内芸術祭に参加中で、おふたりともその活動を常に注視している作家です。いまなにを考えていますか。そんな問いを折りに触れて投げ掛けてみたいおふたりなのです。
幕開けは6月2日の鴻池朋子さん。こちらはもう予約がはじまっていますので、ぜひご参加ください!

もうひとつ今年のニュースをお伝えいたします。
カタリココ出版部を立ち上げることになりました!
昨年の福田尚代さんの回がとてもおもしろく、対談を文字に起こして冊子を作ったところ、とても好評で気を良くしました。なにしろ編集作業が楽しいんです。
この冊子は福田さんの所属する小出由紀子事務所が出してくださいましたが、今後はカタリココが版元となって出版いたします。第1号は2015年にご出演いだただいた高野文子さんとのトークです。ぜひご期待ください。(大竹昭子)
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◎日時  6月2日(日) 17時00分開場/17時15分開演
予約開始 5月2日(木)12時よりメール予約
ゲスト  鴻池朋子(美術家)
定員   30名
会場   目白・ブックギャラリーポポタム
  〒171-0021 東京都豊島区西池袋2-15-17
電話   03-5952-0114 
HP http://popotame.net


根源的暴力。2015年の展覧会タイトルだったこの言葉を目にしたとき、身の毛がよだつ思いがした。恐ろしいのに、魅力的で、すごく惹かれれしまうのが後ろめたい言葉だった。2009年のオペラシティ「インタートラベラー 神話と遊ぶ人」で初めて展覧会を見て圧倒されていた私は、ちょうどこの頃に生活の一部が心の重荷になっていたことが理由で、足を運ぶことができなかった。見るのが怖かったのです。今はそれをとても後悔しています。(大林)

鴻池朋子(こうのいけ ともこ)プロフィール
1960年秋田生まれ。現代の神話を様々なメディアを用いてサイトスペシフィックに表現。芸術の問い直しを試みている。近年の個展では、2017年「根源的暴力」 群馬県立近代美術館   他巡回(芸術選奨文部科学大臣賞受賞)、2018年「Fur Story」リーズ美術大学(イギリス)、「ハンターギャザラー」秋田県立近代美術館。現在、瀬戸内国際芸術祭2019が開催中。著書に『どうぶつのことばー根源的暴力をこえて』『ハンターギャザラー』他(すべて羽鳥書店)。
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◎日時  7月13日(土)14時30分開場 15時00分開演
予約開始 6月13日(木)12時より電話・メール予約
03-3294-3300/natsume@natsume-books.com
ゲスト  志賀理江子(写真家)
定員   50名
会場  ボヘミアンズ・ギャラリー
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-25 神保町会館3F
HP http://natsume-books.com


志賀さんの写真をはじめて見たのは、いつだったろうか。 暗い画面から漂う尋常ではない雰囲気に胸がざわついたのを記憶している。当時は露悪的にとらえてしまっていた。しかし今ではさまざまな事象に真摯に全身で向かい合う彼女の姿勢に打たれてしまっている。志賀さんには語るべき言葉が沢山あり、私たちはそれらをよく聞き、自分で考えなければならないと思う。(神谷)


志賀理江子(しがりえこ)プロフィール
写真家。1980年、愛知県岡崎市生まれ。英Chelsea College of Art and Design 2004年卒業。2008年より宮城県に移住。11年東日本大震災の際、津波でアトリエを失うも精力的に制作を続ける。主な個展に12年 「螺旋海岸」展(せんだいメディアテーク)、17年「ブラインド・デート」展(猪熊弦 一郎現代美術館)、19年「ヒューマン・スプリング」(東京都写真美術館)がある。写真集に「Lilly」「CANARY」「カナリア門」「螺旋海岸」「ブラインドデート」。
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◎日時 9月21日(土) 19時開場/19時30分開演
予約開始 8月21日(水)13時より電話予約
ゲスト  諏訪敦(画家)
定員   30名
会場    銀座・森岡書店特設会場
   電話 03-3535-5020
FB  http://facebook.com/yoshiyuki.morioka.7
写真ついて独自の評論を行う大竹昭子さんが、諏訪敦さんの絵画をどのように「視る」かに関心があります。また、諏訪さんは『芸術新潮』にて書評の連載を担当し、大竹さんは朝日新聞書評委員の経験があるなど、お二人とも精力的に書評を書かれています。この時代に本を読む意義、或いは「視る」ことへの影響などもお聞きできたらと考えています。(森岡)


諏訪敦(すわあつし)プロフィール
1967年北海道に生まれる。武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。同大学大学院修士課程修了。同大学教授。画家。1994年文化庁芸術家派遣在外研修員に推挙、2年間スペインに渡る。2014年絵画作品集『Blue』を青幻舎より刊行。
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◎日時  11月11日(月)19時開場 19時30分開演
予約開始 10月11日(金)13時より電話・メール予約
     03-3824-3388 / koshohoro@gmail.com
ゲスト  小山田浩子(小説家)
定員   30名
会場   古書ほうろう
     〒110-0008 台東区池之端2-1-45(東京大学池之端門前)
HP http://horo.bz


小山田さんの小説と出会ってまず感じたのは、こんなに読みやすいのになぜかページは進まない、ということでした。それはおそらく目に映るものが細部まで濃密に描かれ立ちのぼってくるためで、さらにはほぼ改行のない文字の壁のような版面とも相まって、つねに圧迫感のようなものが横たわっているせいでしょう。でも、それこそが小山田作品の魅力。異界へのお膳立てとしても効いていて、昨年出た短篇集『庭』では、そのような特徴がより際立って感じられました。写真家でもある大竹さんがこの特異な文体にどのように迫るのか、楽しみにしています。(宮地)


小山田浩子(おやまだひろこ)プロフィール
1983年広島県生れ。2010年「工場」で新潮新人賞を受賞してデビュー。2013年『工場』で織田作之助賞受賞。2014年「穴」で芥川賞受賞。他の著書に『庭』がある。広島東洋カープファン。

*参加費は各回共通1800円です。
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東京FMの番組で永井荷風の偏奇館跡界隈を散策!

TFMの「トランス・ワールド・ミュージック・ウェイズ 」は今年で30年を迎える長寿番組。番組開始の頃からよく呼んでいただきましたが、とりわけ記憶に残っているのは、街を散策しながら番組を作ったこと。東京湾の埋め立て地とか、麻布十番の地下鉄工事現場とか、いろんな場所にいきました。
今回は、30周年を記念して散歩の達人・永井荷風に敬意を表し、彼が住んでいた麻布市兵衛超の偏奇館跡界隈を訪ねました。地下鉄六本木一丁目駅に近い、いまは高層ビルが林立するエリアです。ヒルズと名のつくところはどこもかつては谷だった、谷を消すための再開発、どんぶりの中に大根を突っ立てるようなものだ、などと辛口批判。これくらい忖度せずに言いたいことが言えると気持ちいいです!タイムフリーで5/4まで聴けます。→|http://radiko.jp/share/?sid=FMT&t=20190428043000