大竹昭子のカタリココ

朗読イベント〈カタリココ〉&トークイベントのお知らせと「日々雑記」

〈カタリココ〉はトークと朗読のイベントです。
「語り」と「ここ」を合わせて〈カタリココ〉。
都内の四つの古書店を会場に、ゲストとトークしながらそれぞれの著書を朗読します。

これからのカタリココこれまでのカタリココ カタリココ・レヴュー

〈カタリココ〉〈カフェ・カタリココ〉以外の書店のイベント、写真のレクチャー、
シンポジウムなどについてご案内いたします。
写真:「西荻ブックマーク」主催の写真レクチャー&トーク

その他のイベント

大竹昭子(おおたけ・あきこ)
ノンフィクション、エッセイ、小説、写真評論など、ジャンルを横断して執筆。2007年にトークと朗読の会〈カタリココ〉をはじめる。また2011年3月に東日本大震災後、詩人や作家にことばをもちより朗読してもらう「ことばのポトラック」をスタート、現在も渋谷・サラヴァ東京にて継続中。 著作リストtwitter

[web連載]ときの忘れもの「迷走写真館」, 紀伊國屋書店「書評空間」, 月曜社「森山大道のon the road」, 草森紳一記念館「白玉楼中の人」

おしらせ&雑記

2023 年 あけましておめでとうございます。

IMG_2967_convert_20230109125104.jpg
ご近所の290歳の方と一緒に記念写真を撮りました。
世の趨勢に力を落とされているご様子ですが、しっかり見守ってくださいとお伝えしました。

昨年は短篇集『いつもだれかが見ている』を刊行、それをきっかけに「写真を深く見るためのワークショップ」を八戸を皮切りに鎌倉、東京、福岡、京都で開催しました。参加者に前もって写真をいただき、それらを見ながら気がついたことをみんなで言葉にしていくという内容です。予想した以上におもしろく、写真を語る新しい切り口を得たように感じています。今年も各地でおこなう予定です。

また昨秋にカタリココ文庫の刊行が10号に達したこともうれしい出来事のひとつでした。これにて第1期が完結し、記念にフリーペーパー「横断的思考のススメ」をつくりました。カタリココ文庫を扱っているお店に置いてありますし、通販でお求めの方にもお送りしています。ご一読いただければうれしいです。
https://katarikoko.stores.jp/

ウェブサイトの更新が間遠になりがちなので、この機会に昨年2022年の主な出来事をあげておきます。

2月
カタリココ文庫8号・畠山直哉×大竹昭子『見えているパチリ!』刊行。
4月
29日京都Purpleにてカタリココ文庫についてトークをする。
5月
別冊太陽『森山大道 写真とは記憶である』に論考「路上からヒトの歴史を透視する」を寄稿。
須賀敦子の祖父が創業した須賀工業100周年記念式典で須賀敦子について東京(20日)・大阪(29日)で講演をする。
6月
短篇集『いつもだれかが見ている』(亜紀書房)を刊行。
7月
17日 台湾の漫画家、高妍著『緑の庭』の刊行を記念してポポタムで高さんとトークをする。
Bunkamura Nadiff Modern にて『いつもだれかが見ている』フェア開催。30日に堀江敏幸氏とトークをする。
カタリココ文庫9号 堀江敏幸×大竹昭子『新しい自我』を刊行。
8月
八戸で短篇集『いつもだれかが見ている』のイベントを行う。5日 八戸ブックセンターでトーク、6日 八戸市立美術館 で<写真を深く見るためのワークショップ>をおこなう。
9月
4日 北鎌倉・喫茶ミンカで<写真を深く見るためのワークショップ>第2回をおこなう。
21日 池澤夏樹さん、富田めぐみさんと「あまくま琉球」のクラウドファンディングのためのトークショーをスイッチパブリッシング地下レイニーデー・カフェでおこなう。
10月
8日 高橋恭司写真展「Ghost」@代官山LOCO GALLERYで高橋さん、安田和弘さん、私の三人でトークをする。
29日 蔵前 iwao gallery で<写真を深く見るためのワークショップ>第3回をおこなう。
11月
5日 京都Purple で<写真を深く見るためのワークショップ>第4回をおこなう。
20日 カタリココ文庫10号 諏訪敦×大竹昭子『絵にしかできない』を刊行。10号に達して第1期完結。
12月
1日 下北沢本屋B&Bで<写真を深く見るためのワークショップ>第5回をおこなう。
10日 ミーヨン写真展「記憶のほとり」@日本橋好文画廊でトークをする。
15日 蔵前 iwao gallery で鴻池朋子さんと『いつもだれかが見ている』刊行記念トークをおこなう。


迷走写真館は昨年10月より偶数月の掲載になりました。
http://blog.livedoor.jp/tokinowasuremono/archives/cat_50032565.html

今年もひきつづき、どうぞよろしくお願いいたします。(2023.1.9)

10 月の迷走写真館はこの写真です!(今回から偶数月の掲載になりました)

f2455944-s.jpg
遠くにいる集団と手前側にいる男ふたりが、別個の世界に属しているような気配が漂っています。
まったく反対の方向を見ているのが意味深長。
男たちが腰かけている岩の上にはポールが立っていて、矢印形のサインに世界の地名が書かれています。
まるでここが世界の中心地であるかのように。
むこうの一団が視線を注いでいる先には、いったい何があるのでしょう……。(2022.10.5)
ギャラリーときの忘れもの

つぎの「写真を深く見るためのワークショップ」は福岡県吉井です!

FchYqUUaQAE3fuP.jpegFchYsobaAAAxWEe.jpeg

八戸、鎌倉とおこなってきた「写真を深く見るためのワークショップ」。
9/17にMINOU BOOKSの企画で、福岡県吉井でおこないます!

鎌倉の喫茶ミンカは大好評でした。
スマホにはいっている写真から、これ、と思うものを選んで送っていただいたのですが、一見、なにげない写真のようですけど、選ばれただけあって、よく見るとヘンなのです。
どこがヘン? これ、なにしているところ? どういう場所なの? この人たちはだれ? フレームの外に何がある? とみんなであれこれ言い合うちに、写真を見る目がこまかくなってすっかり集中しているのです。
最後に撮影した本人にどういうシチュエーションかを語っていただきますが、そこでまたえっ、という驚きの声があがりました。

MINOU BOOKSでもきっとたのしい語らいが生まれるはず!
福岡方面の方、ぜひ参加をお待ちしています。

【日時】 9月17日(土)午後5時より
【場所】 菊竹六皷記念館(うきは市吉井町1082-1)*MINOU BOOKSより徒歩3分
【講師】 大竹昭子  
【定員】 15名
【料金】 ワークショップ+書籍『いつもだれかが見ている』3000円
      ワークショップのみ 2000円 
【ご予約・お問い合わせ】
MINOU BOOKS
 TEL / 0943 76 9501 MAIL / info@minoubooks.com
 参加ご希望の方は下記項目をメール又はお電話又はInstagramのメッセージにてお伝えください。
 ①お名前②お電話番号③参加人数

<写真を深く見るためのワークショップ>を開催します!

workshop_1500x500_subtitle2.jpeg
『だれかがどこかで見ている』刊行記念として、<写真を深く見るためのワークショップ>を各地で開催いたします。
八戸ブックセンターと市立美術館の協働企画でおこなったところ、とてもおもしろかったので、やる気が湧きました。

スマホには写真がたくさん入っているけれど、見直す機会が減ってはいませんか。それらをみんなで見ながら言葉にしていくワークショップです。言葉にするにはじっくり見なければならず、すると見逃していたことがいっぱいあるのに気がつきます。

参加者にはご自身が撮った写真1点を前もって送っていただきます。高級カメラである必要なし。スマホで充分。条件は「どこかに人の姿が写っているもの」です。みんなに見せたいおもしろい写真を待ってます!

まずは北鎌倉の喫茶ミンカでおこないます。人気の一軒家カフェで、昨年、『見えているパチリ!』の畠山直哉さんとのトークをここでして、とっても気に入りました。みんなの気持ちがひとつにまとまり、活性化されるような空気が流れているんですね。

【日時】 9月4日(日)午後5時より
【場所】 喫茶ミンカ 鎌倉市山ノ内377−2
【講師】 大竹昭子  
【定員】 15名
【料金】 ワークショップ+書籍『いつもだれかが見ている』(ドリンク付) 3500円
      ワークショップのみ(ドリンク付) 2500円 
【予約申込・写真データ送付先】 rojinooku@gmail.com
【問い合わせ】 喫茶ミンカ 0467-50-0221

新しいカタリココ文庫が出ました!

IMG_2020_convert_20220813132543.jpgカタリココ文庫も、もう9号になりました。
『新しい自我----「ふつう」を見いだす闘い』は作家・堀江敏幸さんと大竹昭子の対談&堀江さんの未発表原稿を収録。幼少期の記憶、持って生まれた自分の性格、地域ごとの言葉の差異など、東京ではめったに聞けない事柄について彼が語った貴重な一冊です。また堀江さんは東日本大震災の前後に3つの詩をつづけて書いていますが、対談では創作の経緯にも触れており、3作すべてが読めます。
巻末には、堀江さんがある企画のために書いたにもかかわらず、未掲載に終わった原稿を載せました。
なぜボツになったかは対談の山場ともいえる箇所であり、「『ふつう』」を見いだす闘い」という副題もそこにつながってきます。一見、「闘う」というイメージからほど遠く、また自身の来歴についても積極的に語ることのない作家の核心に触れた、リトルプレスだからこそ実現できた自信作にご注目ください!カタリココ文庫(2022.8.13)

新刊『いつもだれかが見ている』のお知らせ&トークイベントのことなど

IMG_1974_convert_20220724090022.jpgIMG_2005_2_convert_20220724091046.jpg国籍もさまざまな14 人を写した写真からインスパイアされた最新短篇集です。
撮影者はヒロイ・クミ&アネケ・ヒーマンというアムステルダム在住のアーチスト・ユニット で、この一年、彼らから届く写真を眺めながらストーリーを考える日々をすごしました。
コロナ禍を意識したわけではないですが、自然にその影響を受けたように思います。一種の隔離状態にあって、写真が世界とつながる窓になっているのを実感しました。また頭の隅に常に「写真とは何か?」という問いがあり、そのこともストーリーの展開を左右したように思います。現実と虚構の境が消え、今いるこの場所が別のどこかに接続するような謎めいた感覚をお楽しみください!
収録作品のひとつに「ポーズする女」(写真右上)がありますが、このストーリーから時間を遡った時点の出来事を「エピソード・ゼロ」として書いたものが、現在、亜紀書房のwebマガジン「あき地」で公開されています。これを読んでから、この後に何が起きるのか想像しつつ本書を開くのもおもしろいかもしれません。→あき地
_convert_20220724090827.jpgまた7月30日には、渋谷Bunkamura地下、ナディッフ・モダンにて、堀江敏幸氏とトークショーを行ないます。
小説を書きつつ写真や絵画についての随想も多く執筆している堀江氏と、写真と物語の関係をめぐってどんな対話が生まれるか、とても楽しみです。詳しくは以下をご覧ください。→ナディッフ・モダン

8月第1週にはヒロイ・クミ&アネケ・ヒーマンが来日し、八戸ブックセンターと八戸市美術館をつないで本書の展示「見えるものとかたるもの」を開催、8月6日には写真のワークショップをいたします。ほかにもいくつかトークの予定がありますので、東北の方、ぜひお越しください!
八戸に行くのは初めてでとても楽しみです。なんといっても「本の街」宣言をしているというのがステキです!→八戸ブックセンター(2022.7.24)


7月の迷走写真館はこの写真です!

d54b4f7b-s.jpg
浜辺にたくさんの人が立っています。
大方が若い人で、しかもみなが同じ方向をむいています。
いったい彼らの視線の先でなにが起きているのでしょう? 
カメラはそれを俯瞰してしていますが、撮影者はどこに立っているのでしょう?→迷走写真館

「迷走写真館」3回分を一気にご案内!

f294649f-s.jpgb51e1bca-s_convert_20220620092324.jpg
c53a8b1b-s_convert_20220620092613.jpgすばやく時間が去って「迷走写真館」の告知が3回もたまってしまいました。まとめてお伝えいたします。

4月は「日本誕生」の巨大な絵看板がかかっている映画館前の写真です。映画館の館内と路上がひとつづきだったころの勢いが、写真全体から溢れ出しています。人の歩調に一定のリス厶があるように見えるのがおもしろいですね。

5月に取り上げたのは、土手の上とその下の路上という上下の関係が写っている写真です。こういう撮り方はちょっとめずらしい。土手上で進行している時間と、道のところで起きていることが無関係のようでいて、どこかつながっているように感じられますが、見る側がつなげて見ようとするからでしょうか。

6月の写真は中国の都市部です。タワーマンションに包囲されたように、古い建物がひしめく旧市街地があり、写真家はそこに立ってシャッターを押していますが、手で一押しすると倒れてしまいそうなマンションの姿が気になります……。このなかに本当に部屋があるのでしょうか?(2022.6.20)