
創作合評の2回目の記事、私の発言が容赦がない。要するにエラソーだ。鼎談の最中に関川さんが「コワイねー」ともらしたが、ほんとにそう。いいたい放題。
反省しているうちに、1ヵ月たって今日は最終回です。気をつけます……。
ちなみに6月号でとりあげたのは、辻原登「夏の帽子(文藝)、綿矢りさ「ひらいて」(新潮)、原田ひ香「アイビー・ハウス」(群像)の3作(2012.5.16)
「丸の内カフェ」は丸の内のオフィス街にあるイベントスペースです。そう、ああいうエリアにもイベントスペースがあるんですね。以前、こちらの「朝大学」という早朝の講座に呼んでいただいて以来のご縁ですが、今回は「コトバノ惑星丸ノ内三丁目 vol.4」というコトバについてのイベントです。
まず、映像「ことばのポトラック ダイジェスト」を上映。打ち上げパーティーでもご覧いただいて大好評でしたが、これに4月8日の「ポトラック」を加えたホントの「総集編」です。「ことばのポトラック」ってどんなものだったのか、興味のあるかたはぜひ。それにつづいて詩人の柏木麻里さんとトークします。どんなことばの持ち寄りパーティーになるでしょう!→
丸の内カフェ
4月8日の「ことばのポトラック」に出演くださった保坂和志さんと5月18日にトークします。保坂さんに出ていただきたいけど、みんなでなにかするというのはパスなんじゃないかなと、最初はお願いするのをためらってました。でも勇気をもって連絡したところ、快諾くださり、また寄せてくれた作品も力強いものでした。「ポトラック」に参加した感想について、またこうした小さな「文芸運動」について、彼がどんなヴィジョンを持っているか伺ってみたいです。保坂流の朗読も楽しみ!→
青山ブックセンター
昨日、「図書新聞」で「ことばのポトラック」について座談会をした。出席は佐々木幹郎さん、堀江敏幸さん、私の三人。ふたりの発言を聞きながら、どうしてポトラックをはじめたのだろう、これはどういう活動なのだろう、と改めて考えた。そして今朝起きぬけに思ったのである。それは、一言で説明したくない、わかりやすいことばでくくりたくない、という当然至極のことだった。つまり、「ことばのポトラック」ってなんなんだろう考えつづけることが、この活動をつづけていく唯一理由なのである。
物書きはふだんはそれぞれの部屋で創作し、結果を活字にして社会に出している。「ポトラック」ではそのことばを活字ではなく、その場所にいる人にむかって声で発する。「ことばのポトラック」はことばをそのようなかたちで扱うための実践の場なのだ。その実践のためには、ことばを練り上げるのはもちろんだが、そのほかにもおろそかにできないことがたくさんある。場所の準備、スタッフとのやりとり、出演者への連絡、実際に会ったときの関わり方……。近づきすぎても離れすぎてもいけない。距離感と緊張感を正しく計測しなければならない。「ポトラック」は「実践」のために必要なこれらの能力を互いに手探りするための「実践の場」でもあるのだ。
サラヴァ東京で文芸イベントを行ったのは、オープンしてまだ間もない2011年1月、「ドアノーの写真人生」と題して、ロベルト・ドアノーついてのトークショーをしたのが最初だった。ドアノーと直接の親交があったピエール・バルー、ドアノーの『不完全なレンズで』を翻訳した堀江敏幸さん、私の3人で、ピエールの撮ったドアノーの映像作品を見ながらトークした。終わってから、そのときの感想を以下のようにウェブで書いている。
「徒党を組まず、ジャンルにも埋没せず、人と人の出会いを演出し、そこから生まれでるものに期待を寄せたジャック・プレヴェール、ドアノー、そしてピエール。微力ながらもそれにつづく者になりたいと強く思った一夜でした。」
「ポトラック」を呼びかけた根底にはあったのはたぶんこれだ。この日に自分でも気づかないうちに何か大きなものを引き継いだのだと思う。(2012.4.28)
金曜夜の延長タイムに滑り込みで行ってきた。最初はポロックねえと思っていたのだが、これだけの規模のものはもう開催されないようなので、考えを変えて行ったのだが、素晴らしかった。「ドロッピング手法で美術表現を覆した人」という美術史の位置づけだけでは、この人のおもしろさはわからない。初期から晩年まで(と言っても44歳没なので短い生涯だが)、作品を編年で追っていったときにはじめて浮き彫りになるものがある。作家を代表作だけで見るのはほんとにつまらない。46年の作品を見るときは、「このときはまだ47年の作品は出来てないのだ」と思って見ないといけない。ポロックの関心は絵画における「地と図」の関係にあった。これを知れたのが非常におもしろかった。ちなみに、金曜夜の観客はとても気持ちがいい。作家にむきあおうとする真剣さを持っている。だからみんなひとりで来ている。ぺちゃっくちゃおしゃべりしている人はひとりもいない。オススメです。(2012.4.20)

合評会ってなんだか懐かしい響きですね。文芸誌に掲載された小説作品を3者で評する連載で、現在でている『群像』5月号から7月号までを担当します。ほかのお二人は関川夏央さんと羽田圭介さん。どーなることかと思いましたが、なかなか楽しかったです。こういうことでもないと文芸誌掲載の小説を熟読するなんてことはないし、取りあげた作品もよかったし。川上未映子さんの「お花畑自身」(『群像』4月号)と柴崎友香さんの「わたしがいなかった街で」(『新潮』4月号)。そうこうするうちに、次号の構成原稿が到着。いま加筆・修正して送ったところ(2012.4.19)
「路上から」と題して、日本の近現代写真から十作品を紹介することに。第1回で取りあげたのは、永井荷風の私家版『おもかげ』に入っている浅草・山谷堀で撮った夜の街路の写真です。月曜から金曜にわたって(ときどき飛ぶこともあり)10回連載です。
「ことばのポトラック」の出演者で本の編集に深くかかわってくださった佐々木幹郎さんが、春風社の三浦衛さんと横浜でトークします。横浜の方、ぜひどーぞ(もちろん、東京の方も!)。
ツブヤ大学BooK学科ヨコハマ講座
第7回『ことばのポトラック』をめぐって
日時 2012年4月27日(金)20:00 〜
場所 春風社(横浜・紅葉ヶ丘)
会費 1000円(ラボ会員500円)
電話予約 TEL 045-261-3168
Eメール info@univ2289.jp

「ポトラック」では毎回、出演者から本を持ち寄っていただき、その売り上げを義援金にまわしていましたが、今回は東北関係の本を出版社からご提供いただきました。東北本ならなんでもOKというわけではなく、私が読んでいいと思った本のみを集めた「セレクト・チョップ」でしたが、完売いたしました!
以下がお寄せいただいた本です。
1.『鉄は魔法使い』畠山重篤著
この本は小学館から出てますが、本を作ったフリーの編集者が個人的にご提供くださいました!
2.『春の先の春へ』古川日出男著(左右社)
「ポトラック」の出演者である古川さんが賢治の詩を朗読したCDブックです
3.『こども東北学』山内明美著(イースト・プレス)
今年1月の「書評空間」で取りあげました。深く心に残った本でした。
4.『チェルノブイリ』F. サンチェス/ N.ブストフ/管啓次郎訳(朝日出版社)
「ポトラック」の出演者である管さんの翻訳。緻密な絵、ストーリー構成もすばらしい。
5.『北上川』橋本照嵩著(春風社)
北上川流域に暮らす人々のエネルギーがわしづかみになっている写真集。『ことばのポトラック』の版元である春風社との出会いがなければこの本を知らずに終わったかも知れません。感謝。
6.『父のふるさとー秋田往来』三浦衛著(春風社)
春風社社主の三浦衛氏の自伝的エッセイ。彼は秋田出身。「ポトラック」に敏感に反応して下さったのもその事があったのでしょうか。活版・函入の魅力的な造本。
7.『考える人』東北特集&紀行文学特集(新潮社)
タイムリーに出た「東北特集」です。私はこの号に「東北と写真」について書きました。「紀行文学特集」は「外国人の見た日本」について書いた私の原稿が掲載さているので編集部の方が気を利かせてご持参下さいました。
のみならず、このショップでは新潮社の四角さんと黒田さんが黄色いパンダ・エプロンをかけて販売員をしてくれたのです!それぞれの本のポイントをささっと書いて添えてくださるなど、すばらしい気配り。いつもは本を作っている側だけど売るのを体験したのがおもしろかったという彼女たちの言葉に、「なるほど!」。お金を直接受け取って売り物を手渡すのはとても楽しいものです。だから市場はいつの時代にもすたれない。
本の売上金額は47.700円でした。「ことばのポトラック」の入場料から経費を引いた義援金額は15.544円です。関西から参加くださった出演者おふたりに交通費をお払いしたので、今回はいつもより金額は低くなりましたが、その分、地理感がでてよかったと思います。
また(株)クレヴィスからは現在恵比寿の写真美術館で開催中の「ロベール・ドアノー」展のチケットをご協賛いただいき、本をお買い上げの方に差し上げたことも書き添えておきます。ご協力いただいたみなさま、ありがとうございました。(2012.4.13)