大竹昭子のカタリココ

朗読イベント〈カタリココ〉&トークイベントのお知らせと「日々雑記」

〈カタリココ〉はトークと朗読のイベントです。
「語り」と「ここ」を合わせて〈カタリココ〉。
都内の四つの古書店を会場に、ゲストとトークしながらそれぞれの著書を朗読します。

これからのカタリココこれまでのカタリココ カタリココ・レヴュー

〈カタリココ〉〈カフェ・カタリココ〉以外の書店のイベント、写真のレクチャー、
シンポジウムなどについてご案内いたします。
写真:「西荻ブックマーク」主催の写真レクチャー&トーク

その他のイベント

大竹昭子(おおたけ・あきこ)
ノンフィクション、エッセイ、小説、写真評論など、ジャンルを横断して執筆。2007年にトークと朗読の会〈カタリココ〉をはじめる。また2011年3月に東日本大震災後、詩人や作家にことばをもちより朗読してもらう「ことばのポトラック」をスタート、現在も渋谷・サラヴァ東京にて継続中。 著作リストtwitter

[web連載]ときの忘れもの「迷走写真館」, 紀伊國屋書店「書評空間」, 月曜社「森山大道のon the road」, 草森紳一記念館「白玉楼中の人」

おしらせ&雑記

カタリココ文庫12号は写真家、中平卓馬号です。

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この暑さを吹き飛ばすようなパンチの効いた写真家、中平卓馬の特集号『私、写真を放棄することは、全く不可能です』です。こんなセリフをためらわずに言える人はどれほどいるでしょうか?!
中平は1960年代、「写真家になる」と自ら宣言することで編集者から写真家に転向し、ブレボケ写真によって既成の写真表現に異議を唱え、同人誌『プロヴォーク』をはじめるなど、過激な写真論を展開します。
ところが1973年からブレボケ写真を否定し、対象をはっきりと写しとる「植物図鑑のような写真」を提唱、その実践に踏み切ってまもなく、中平は記憶喪失と言語障害を患い、かつてのように先鋭的な言葉で写真を論ずることが不可能になります。
結果として、彼の写真活動はかつてないほど活発になり、2015年に77歳で他界するまで約40年にわたり、日々写真を撮ることのみに邁進しました。
本書は、写真史上、稀にみる生き方を遂げた中平卓馬に語った一冊です。
彼と写真との切実な関係性に振れてみると、暑さでだれていた気持ちがピリッとします。
折りしも、葉山の神奈川近代美術館で「挑発関係 中平卓馬×森山大道」が開催中。展覧会とあわせてどうぞ!
https://katarikoko.stores.jp

8月の迷走写真館の写真はこちらです!

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第121回はこの写真について書きました。
すごい飲みっぷり! 
左手に注目ください。         
http://blog.livedoor.jp/tokinowasuremono/archives/53523588.html
10月にこの連載の一部が単行本にまとまります。
題して『迷走写真館へようこそ』(赤々舎)。ただいま鋭意編集作業中!
次回の迷走写真館は10/1。偶数月の1日に掲載. (2023.8.14)

2023年3月21日開催「ことばのポトラック」のご報告です。


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2023年3月21日の「ことばのポトラック」は参加者の集中度がとても高く、その熱が登壇者の口をなめらかにし、まさに「ことば」を持ち寄る「ポトラック」らしい場になりました。
参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

「ことばを持ち寄る」集いだなんて、成果主義一辺倒のいまの時代には焦点の曖昧なものに見えがちですが、実際には大違いでした。
時代の流れに抗するのに新たな問いを立てる必要がある、とだれもが実感しているゆえのエネルギーが会場を包み込んだのです。
主義主張を述べるのではなく、意味を求めるのでもなく、模索しようという意思が確かめられたのでした。

登壇いただいた野内彦太郎さん(90歳)は最後に、「自分が生きる上で心がけてきたのは「美」だ」おっしゃいました。
このことばには、心底ノックアウトされました。
美しい時間、美しい関係、美しい心……。
美を求めて生きれば、醜いものは寄ってこないはずです。
そして美は固定したものではなく、対象との間に現象するものでもあります。
つまり常に自分のなかの美の基準と照らし合わせている必要がある。
彦太郎さんのお姿を見ていると、その緊張感が生を輝かせていると感じられてなりませんでした。
「倫理」ではなく「美」を求めて生きたい、そう思いました。

「ことばのポトラック」は当初の予定である10年継続を達成し、ひとまずここで役目を終えますが、「ことば」を必要としたらいつでも集まれる自由さを確保しておきたいと思います。
写真:左からゲストの佐藤研吾さん、林剛平さん、野内彦太郎さん(以上歓藍社のみなさん)ホスト:大竹昭子、堀江敏幸(2023.3.26)










2023 年 あけましておめでとうございます。

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ご近所の290歳の方と一緒に記念写真を撮りました。
世の趨勢に力を落とされているご様子ですが、しっかり見守ってくださいとお伝えしました。

昨年は短篇集『いつもだれかが見ている』を刊行、それをきっかけに「写真を深く見るためのワークショップ」を八戸を皮切りに鎌倉、東京、福岡、京都で開催しました。参加者に前もって写真をいただき、それらを見ながら気がついたことをみんなで言葉にしていくという内容です。予想した以上におもしろく、写真を語る新しい切り口を得たように感じています。今年も各地でおこなう予定です。

また昨秋にカタリココ文庫の刊行が10号に達したこともうれしい出来事のひとつでした。これにて第1期が完結し、記念にフリーペーパー「横断的思考のススメ」をつくりました。カタリココ文庫を扱っているお店に置いてありますし、通販でお求めの方にもお送りしています。ご一読いただければうれしいです。
https://katarikoko.stores.jp/

ウェブサイトの更新が間遠になりがちなので、この機会に昨年2022年の主な出来事をあげておきます。

2月
カタリココ文庫8号・畠山直哉×大竹昭子『見えているパチリ!』刊行。
4月
29日京都Purpleにてカタリココ文庫についてトークをする。
5月
別冊太陽『森山大道 写真とは記憶である』に論考「路上からヒトの歴史を透視する」を寄稿。
須賀敦子の祖父が創業した須賀工業100周年記念式典で須賀敦子について東京(20日)・大阪(29日)で講演をする。
6月
短篇集『いつもだれかが見ている』(亜紀書房)を刊行。
7月
17日 台湾の漫画家、高妍著『緑の庭』の刊行を記念してポポタムで高さんとトークをする。
Bunkamura Nadiff Modern にて『いつもだれかが見ている』フェア開催。30日に堀江敏幸氏とトークをする。
カタリココ文庫9号 堀江敏幸×大竹昭子『新しい自我』を刊行。
8月
八戸で短篇集『いつもだれかが見ている』のイベントを行う。5日 八戸ブックセンターでトーク、6日 八戸市立美術館 で<写真を深く見るためのワークショップ>をおこなう。
9月
4日 北鎌倉・喫茶ミンカで<写真を深く見るためのワークショップ>第2回をおこなう。
21日 池澤夏樹さん、富田めぐみさんと「あまくま琉球」のクラウドファンディングのためのトークショーをスイッチパブリッシング地下レイニーデー・カフェでおこなう。
10月
8日 高橋恭司写真展「Ghost」@代官山LOCO GALLERYで高橋さん、安田和弘さん、私の三人でトークをする。
29日 蔵前 iwao gallery で<写真を深く見るためのワークショップ>第3回をおこなう。
11月
5日 京都Purple で<写真を深く見るためのワークショップ>第4回をおこなう。
20日 カタリココ文庫10号 諏訪敦×大竹昭子『絵にしかできない』を刊行。10号に達して第1期完結。
12月
1日 下北沢本屋B&Bで<写真を深く見るためのワークショップ>第5回をおこなう。
10日 ミーヨン写真展「記憶のほとり」@日本橋好文画廊でトークをする。
15日 蔵前 iwao gallery で鴻池朋子さんと『いつもだれかが見ている』刊行記念トークをおこなう。


迷走写真館は昨年10月より偶数月の掲載になりました。
http://blog.livedoor.jp/tokinowasuremono/archives/cat_50032565.html

今年もひきつづき、どうぞよろしくお願いいたします。(2023.1.9)

10 月の迷走写真館はこの写真です!(今回から偶数月の掲載になりました)

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遠くにいる集団と手前側にいる男ふたりが、別個の世界に属しているような気配が漂っています。
まったく反対の方向を見ているのが意味深長。
男たちが腰かけている岩の上にはポールが立っていて、矢印形のサインに世界の地名が書かれています。
まるでここが世界の中心地であるかのように。
むこうの一団が視線を注いでいる先には、いったい何があるのでしょう……。(2022.10.5)
ギャラリーときの忘れもの

つぎの「写真を深く見るためのワークショップ」は福岡県吉井です!

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八戸、鎌倉とおこなってきた「写真を深く見るためのワークショップ」。
9/17にMINOU BOOKSの企画で、福岡県吉井でおこないます!

鎌倉の喫茶ミンカは大好評でした。
スマホにはいっている写真から、これ、と思うものを選んで送っていただいたのですが、一見、なにげない写真のようですけど、選ばれただけあって、よく見るとヘンなのです。
どこがヘン? これ、なにしているところ? どういう場所なの? この人たちはだれ? フレームの外に何がある? とみんなであれこれ言い合うちに、写真を見る目がこまかくなってすっかり集中しているのです。
最後に撮影した本人にどういうシチュエーションかを語っていただきますが、そこでまたえっ、という驚きの声があがりました。

MINOU BOOKSでもきっとたのしい語らいが生まれるはず!
福岡方面の方、ぜひ参加をお待ちしています。

【日時】 9月17日(土)午後5時より
【場所】 菊竹六皷記念館(うきは市吉井町1082-1)*MINOU BOOKSより徒歩3分
【講師】 大竹昭子  
【定員】 15名
【料金】 ワークショップ+書籍『いつもだれかが見ている』3000円
      ワークショップのみ 2000円 
【ご予約・お問い合わせ】
MINOU BOOKS
 TEL / 0943 76 9501 MAIL / info@minoubooks.com
 参加ご希望の方は下記項目をメール又はお電話又はInstagramのメッセージにてお伝えください。
 ①お名前②お電話番号③参加人数

<写真を深く見るためのワークショップ>を開催します!

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『だれかがどこかで見ている』刊行記念として、<写真を深く見るためのワークショップ>を各地で開催いたします。
八戸ブックセンターと市立美術館の協働企画でおこなったところ、とてもおもしろかったので、やる気が湧きました。

スマホには写真がたくさん入っているけれど、見直す機会が減ってはいませんか。それらをみんなで見ながら言葉にしていくワークショップです。言葉にするにはじっくり見なければならず、すると見逃していたことがいっぱいあるのに気がつきます。

参加者にはご自身が撮った写真1点を前もって送っていただきます。高級カメラである必要なし。スマホで充分。条件は「どこかに人の姿が写っているもの」です。みんなに見せたいおもしろい写真を待ってます!

まずは北鎌倉の喫茶ミンカでおこないます。人気の一軒家カフェで、昨年、『見えているパチリ!』の畠山直哉さんとのトークをここでして、とっても気に入りました。みんなの気持ちがひとつにまとまり、活性化されるような空気が流れているんですね。

【日時】 9月4日(日)午後5時より
【場所】 喫茶ミンカ 鎌倉市山ノ内377−2
【講師】 大竹昭子  
【定員】 15名
【料金】 ワークショップ+書籍『いつもだれかが見ている』(ドリンク付) 3500円
      ワークショップのみ(ドリンク付) 2500円 
【予約申込・写真データ送付先】 rojinooku@gmail.com
【問い合わせ】 喫茶ミンカ 0467-50-0221